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「直下〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

直下の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
偸盗」より 著者:芥川竜之介
れた樺桜《かばざくら》の直垂《ひたたれ》とを、相手の男に認めたのである。 彼は直下《じきげ》に、立本寺《りゅうほんじ》の門前を、ありありと目に浮かべた。そうし....
路上」より 著者:芥川竜之介
木の梢《こずえ》にも、至る所に春めいた空気が動いていた。それは現在の彼の気もちを直下《じきげ》に放出したような外界だった。だから町を歩いて行く彼の心には、夕日の....
十八時の音楽浴」より 著者:海野十三
1 太陽の下では、地球が黄昏れていた。 その黄昏れゆく地帯の直下にある彼の国では、ちょうど十八時のタイム・シグナルがおごそかに百万人の住民の....
二、三羽――十二、三羽」より 著者:泉鏡花
ばらく茫然として彳んだ。――電車の音はあとさきに聞えながら、方角が分らなかった。直下の炎天に目さえくらむばかりだったのである。 時に――目の下の森につつまれた....
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
るためには、詩人は必ず深い愛の体験者でなければならぬ。出でよ詩人よ。そして私達が直下に愛と相対し得べき一路を開け。 私は又詩にも勝った表現の楔子を音楽に於て見....
階段」より 著者:海野十三
どかない高い書棚の本をとるために軽い梯子のあるのを幸い、これを音のすると思われる直下へ掛け、それに昇って一体何の音であるのかを確めてみようと考えた。僕は静かに椅....
壊れたバリコン」より 著者:海野十三
梨の礫」には倦きて来ました。厭気のさしたのを自覚すると、実験をつづけることが急転直下的にたまらなくいやになりました。忘れもしない九月の七日の夜のことです。時計は....
恐竜島」より 著者:海野十三
と、見当がつくんだが、なにしろ太陽は今、頭のま上にかがやいているからね」 赤道直下《せきどうちょっか》だから正午には太陽は頭のま上にあるのだ。筏の上に立つと影....
浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
風がつのってきたらしく、波頭が白く光る。それがわが潜水艦ホ型十三号の艦橋に立つ当直下士官の眼にも、はっきりわかった。 艦は今、鯨のような体を半ば波間に現し、針....
迷信解」より 著者:井上円了
もない。また地球上に住するも、その位置の異なるに従って方位も異なるわけじゃ。赤道直下にあるときと北極付近にあるときとは、鬼門の方位が大層違ってくる。もし正しく北....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
るよりは、遠くヒマラヤの雪巓を観望する丘の上に燃ゆるが如き壮志を包んだ遺骸を赤道直下の熱風に吹かれつつ荼毘に委したは誠に一代のヒーローに似合わしい終焉であった。....
穂高岳槍ヶ岳縦走記」より 著者:鵜殿正雄
じて、追躡したが、命冥加の彼らは、遂にあちこちの岩蔭にまぎれてしまう。此処が槍の直下だろうとて、荷物を委てて行こうとすると、もう一つ小峰があるとの事、で早々|纏....
西航日録」より 著者:井上円了
懸天半空白、老杉繞水一渓青、絶無人跡渾蕭颯、唯有風光自秀霊、今夕不知何処宿、鉄車直下入旗亭。 (洛山の山なみの深いところは、あかつきになお暗く、雲の影は窓辺をさ....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
を改めて思う。太陽はすでに北天の中央にある。) また、五絶二首を得たり。 太陽直下洋、水与。 (太陽の真下の海は、水と風とふたつながら熱い。扇風器が涼しさを送....
茸をたずねる」より 著者:飯田蛇笏
に沁み入っている。 粂吉は立ち上ってつかつかと岩鼻へ出かけて行く。其処の岩鼻は直下数百|尋の渓谷を瞰下する断崖の頂きで岩は一面に微細な青苔に蔽われている。彼は....