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直情径行
「直情径行〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
直情径行の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
を規矩男に知らせ、また次のような規矩男の身の上をも聞き知った。 外交官にしては
直情径行に過ぎ、議論の多い規矩男の父の春日越後は、自然上司や儕輩たちに好かれなか....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
たので――竜之助の心には石よりも頑固《がんこ》なところと、理窟も筋道も通り越した
直情径行《ちょくじょうけいこう》のところと、この二つがあって、その時もまた、初め....
「光と風と夢」より 著者:中島敦
入れなかったのも、彼女であった。之にはスティヴンスンの友人達も大分気を悪くした。
直情径行のW・E・ヘンレイ(ガルバルジイ将軍を詩人にした様な男だ)が真先に憤慨し....
「近世快人伝」より 著者:夢野久作
のは、更に更に情ない事実である。 奈良原到翁はその極端な清廉潔白と、過激に近い
直情径行が世に容れられず、明治以後の現金主義な社会の生存競争場裡に忘却されて、窮....
「現代の主題」より 著者:宮本百合子
も、いままさに十七歳であり、少年と青年とのあいなかばした成長の過程にあるものが、
直情径行に願うことは何であろう。それは、ひたすらに一人前の青年であろうとすること....
「女性の歴史」より 著者:宮本百合子
生産方法とともにどんなに原始的であったかということをそのまま反映している。人々は
直情径行で、美しいことは美しく、泣きたい時に泣き、愛すれば心も身もその愛にうちこ....
「デスデモーナのハンカチーフ」より 著者:宮本百合子
ヤニングスが映画のオセロに扮したとき、彼はそのもち味で、黒人の英雄であるオセロの
直情径行の素朴な人間性とデスデモーナへの情熱の面を強調した。シェクスピアは、オセ....
「カール・マルクスとその夫人」より 著者:宮本百合子
ら汗を流して遊び戯むれる「大きな子供」のカールをイエニーはわれを忘れて見とれた。
直情径行で妥協ぎらいで廉潔なカールは、イエニーから見れば本当に巨人的な子供であっ....
「ああ玉杯に花うけて」より 著者:佐藤紅緑
そろしく厳格な人であった、久保井先生は温厚で謙遜で中和の人であったが、熊田先生は
直情径行火のごとき熱血と、雷霆のごとき果断をもっている。もし久保井校長が春なら熊....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
父さんは、そういうものを五月蠅《うるさ》がりになるのです。 お父さんは何という
直情径行の、そして一面弱い方でしょう! 何と弱い方でしょう! 貴方が少年時代から....
「牛乳と馬」より 著者:豊島与志雄
す。錯覚を追い払うばかりか、新たな勇気が出てくる。乗馬は、颯爽として、男性的で、
直情径行で、ひねくれたくよくよしたものを排除する。つまり、真直に駆けぬける。これ....
「余裕のことなど」より 著者:伊丹万作
ならば、世の中が今のようにコチコチになつてしまうはずはないのである。 たとえば
直情径行は大和心の美しい特質の一つであるが、近ごろの世の中のどこを見てもそのよう....
「茶の本」より 著者:岡倉由三郎
ねる常道の人々からは、とかく嶮峻な隘路を好んでたどるものと危ぶまれ、生まれ持った
直情径行の気分はまた少なからず誤解の種をまいてついには有司にさえ疑惧の眼を見はら....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
てお続けになってよろしい」 そのような諫告は、無益でもあるしまた危険でもある。
直情径行のエセックスにそのような狡猾な行動がとれようなどとは夢にも考えられないこ....