直截[語句情報] »
直截
「直截〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
直截の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「闖入者」より 著者:大阪圭吉
幾層にも塗り上げて行って最後に仕上げをする下塗描法ではなく、一見して最初から大胆
直截に描者の最後の目的の色で描き上げた直接描法であるから、この絵はこれで殆んど完....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
太郎さん、その時、弓に代って貴方の手に握られたものがあったはずです。いや、むしろ
直截に云いましょう。だいたい装飾灯が再び点いた時に、左|利であるべき貴方が何故、....
「革鞄の怪」より 著者:泉鏡花
恨はありません。けれども、未練と、執着と、愚癡と、卑劣と、悪趣と、怨念と、もっと
直截に申せば、狂乱があったのです。 狂気が。」 と吻と息して、…… 「汽車の....
「異性に対する感覚を洗練せよ」より 著者:岡本かの子
著るしく発達して来た。全ゆる新流行に対して、その深い原理性を丹念に研究しなくとも
直截に感覚からして其の適応性優秀性を意識|出来る敏感さを目立って発達させて来た。....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
た。彼の宗教心は飽くまで強いのであるが、しかし在来の神学的ドグマは、到底彼の鋭利
直截なる研究的良心を充たすに足りなくなったのであった。彼は自身霊媒たる前に、片端....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
いるところにあらわれている。 この歌は単純で明快で、濁った技巧が無いので、この
直截性が読者の心に響いたので従来も秀歌として取扱われて来た。そこで注釈家の間に寓....
「わかれ」より 著者:国木田独歩
もて許し難き理由を説かんも、ただ相恋うるが故にこの恋は許さじとあからさまに言うの
直截なるにしかず。物堅しといわるる人々はげにもと同意すべければなり。げにそのごと....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
出す以外には仕方がない。 吉田首相をアッサリ保守反動ときめつけるけれども、彼の
直截簡明な判断には見るべきところがあり、正月ごろ発表した談話に、官吏を減らせば国....
「あるニュウ・フェイスへの手紙」より 著者:岸田国士
テといわれるような美辞麗句の羅列も流行したが、一般民衆の間には、次第に、正確に、
直截に自分の考えを表明する気風が生れ、十六世紀に盛んに使われた「条件法」が、その....
「新しき世界の為めの新しき芸術」より 著者:大杉栄
て、彼等の議論は極めて曖昧である。微温である。曖昧微温な民衆側の議論は非民衆側の
直截熱烈な議論を誘なわない。 甞つて僕は、歴史を一貫する、そして今日では資本家....
「書籍の風俗」より 著者:恩地孝四郎
性のあるものと考える。愛書家も徒に華装ばかりを尊重したがらずに、こうした所に平明
直截な美を打ち立てることに留意してほしい。 本装は、まず本らしい。本として一人....
「バットクラス」より 著者:岡本かの子
フランスのニースのお祭に招かれて行って居た。 室内装飾の弧と線と面の屈折と角の
直截と金属性の半螺旋とが先刻から運ばれている|寝床の朝飯の仕度を守って待ちくたび....
「鼻に基く殺人」より 著者:小酒井不木
と自分とはまったく路傍の人であった。それだのに何で自分が彼を殺す気になったのか、
直截に言えば彼の鼻である。彼の鼻が自分の気に喰わなかったからである。それでは彼の....
「三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
南が議政壇に最後の光焔を放ったのはシーメンス事件を弾劾した大演説であった。沼南の
直截痛烈な長広舌はこの種の弾劾演説に掛けては近代政治界の第一人者であった。不義を....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
理解されない別の立場にしっかりと立っているのである。 為兼は心に感ずるところを
直截に詠もうとする。そういう為兼は歌の理想を『万葉集』に見る。定家は『近代秀歌』....