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「直段〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

直段の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「いき」の構造」より 著者:九鬼周造
《おきて》であった。「金銀は卑しきものとて手にも触れず、仮初《かりそめ》にも物の直段《ねだん》を知らず、泣言《なきごと》を言はず、まことに公家大名《くげだいみょ....
骨董」より 著者:幸田露伴
だ私に画を頂戴して参れとばかりではなく、こちらの定窯鼎をお預かり致してまいれ、御直段の事はいずれ御相談致しますということで」といった。定鼎の売れ口がありそうな談....
」より 著者:島崎藤村
は斯の品ばかりの時節に候。尤も、斯の品にて小なる物一本四十五銭に御座候。送り物に直段書などは可笑しく候。 ――御話もいろいろ有之候えども、今日は之にて御免を願....
」より 著者:島崎藤村
、幸作へ宛てて手紙を送って、墓石のことを頼んで遣った。返事が来た。石の寸法だの、直段書だのを細く書いて寄した。九月の下旬には、三吉は豊世からも絵葉書を受取った。....
小説総論」より 著者:二葉亭四迷
り。蓋し意の有無と其発達の功拙とを察し、之を論理に考え之を事実に徴し、以て小説の直段《ねだん》を定むるは是れ批評家の当に力むべき所たり。 (明治十九年四月「中央学術雑誌」)....
露肆」より 著者:泉鏡花
衣、めちゃめちゃの大安売、ふらんねる切地の見切物、浜から輸出品の羽二重の手巾、棄直段というのもあり、外套、まんと、古洋服、どれも一式の店さえ八九ヶ所。続いて多い....
阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
の品物で、まだ買ってやっていいようなものがあるかもしれないと想った。殊に趙太太は直段が安くて品物がいい皮の袖無しが欲しいと思っていた時だから、遂に家族は決議して....
塩原多助一代記」より 著者:三遊亭円朝
岸附に小さい河岸納屋が有りやすから、炭の荷を揚げるにも極都合の好い事で、それから直段を聞いて見たら二十五両だと申しやすが、尤も畳建具残らずで、竈はありやせんが、....
南国太平記」より 著者:直木三十五
猫背になりながら、祐筆に、手紙の口述をしていた。 諸国和製砂糖殖え立、旧冬より直段《ねだん》、礑《はた》と下落致し、当分に至り、猶以て、直下《ねさ》げの方に罷....
幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
らは大概|崖に生えているのだが、小判形で直径七尺以上のものがあるという。それで、直段は何程かと聞くと、三円だというので、その安いのにはまた驚きました。 直径七....
食道楽」より 著者:村井弦斎
第十九 人の噂 妻君は料理に夢中なり「薩摩芋がこんなに美味《おい》しくなるなら直段《ねだん》の高い物ばかり買わないで毎日お芋料理を致しましょう。そのセンはどう....
空罎」より 著者:服部之総
るは南京の人也といふ也。日本人に少しも変らず、ヘロヘロといひて、猪口《ちょく》の直段《ねだん》を付け居り申し候。その所へ障子をからりと明け候て、ロシヤといひなが....
食道楽」より 著者:村井弦斎
はなお厳重に調べなければなりません。料理法に一番大切な事は原料を択ぶのです。同じ直段《ねだん》の物を買っても撰《え》らび方によって大層な違いがあります。譬えば同....
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
求めに相成りましたか知らんが、私に取っては大切な道具でござるが、お求め遊ばしたお直段を仰せ聞けられますれば、手前から其の価を差上げますから、何うか手前へお譲を願....
食道楽」より 著者:村井弦斎
の尾の料理だのと徳用なお料理ばかり致しますがその外に臓物《ぞうもつ》料理は皆んな直段《ねだん》が廉《やす》くって味が好いと伺ったそうです。全体牛の臓物料理と申し....