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直筆
「直筆〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
直筆の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
ぱなお添書といったことばのとおり、それなる一書は次のごとく書かれた松平伊豆守のお
直筆でした。 「こは余が領国武州|忍《おし》に育ちし者に候《そうろう》も、希代....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
人は生きているかも死んだかも知らねえんでね、すったもんだをやっていたら、せがれの
直筆だという借用証書をつきつけやがって、あげくの果てに、とうとうだんびらをひねく....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
ご番所からの使いです。しかも、駆け近づくと同時に手渡したのは、ご奉行《ぶぎょう》
直筆の次のごとき一書でした。 「ただいまつじ番所より急達これあり、奇怪なる事件....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
をすることになったということで、妹の手紙をとどけてくれました。それは確かにお通の
直筆《じきひつ》で、目見得が済んで住みつく事になったから安心してくれ。奉公先はあ....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
って朝夕に経を読み、かたわらには村の子供たちを集めて読み書きを指南していた。彼が
直筆の手本というものが今も村に残っている。磯部に於ける彼は決して不人望ではなかっ....
「青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
女がおれの枕もとへ来て、昨日張訓に下さいました扇子は白扇でございました。どうぞ御
直筆のものとお取換えをねがいますと、言うかと思うと夢がさめた。そこで、念のために....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
紗を払いのけて恭しく捧持しながら、ずいと目の前にさしつけたのは、前の将軍家光公御
直筆なる長沢松平家重代のあのお墨流れです。これに会っては敵わない。陪臣共の百人千....
「梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
云った。燗瓶には必ず盃一杯分ばかり残していた。 ◇ 翁から
直筆の短冊を貰った人は随分多いであろうと思う。筆者も七八枚持っていたが、人々に所....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
時の商売は成り立ちませんな。 そこで、捨値で買い受けた紙屑を、これは大納言様の
直筆《じきひつ》で候の、このほうは大御所様で候の、これはまた少し御安値《おやすね....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
。織物の行商人伊助と名乗るから左様御承知ありたい。文面から判断して、まちがいなく
直筆です」 「すると兄上は前にも一色とレンラクがあったのですか」 「兄の語るとこ....
「北斎と幽霊」より 著者:国枝史郎
に持たせ北斎の陋屋を訪ずれた。 「主人阿部豊後守儀、先生のご高名を承わり、入念の
直筆頂戴いたしたく、旨を奉じてそれがし事本日参上致しましてござる。この儀ご承引く....
「接吻」より 著者:神西清
たり、高価な絵画や古い版画、珍しい武器などを次つぎに披露したり、高位高官の人々の
直筆の手紙を読んで聴かせたりしてくれたものだが、一方へとへとに草疲れきってしまっ....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
ということになった。案内状には必ず堀越秀という本名を記し、最初の二、三回は本人の
直筆であったが、その後は狂言作者の竹柴瓢三の代筆になったということである。 わ....
「磯部の若葉」より 著者:岡本綺堂
を作って朝夕に経を読み、傍らには村の子供たちを集めて読み書きを指南していた。彼が
直筆の手本というものは今も村に残っている。磯部に於ける彼は決して不人望ではなかっ....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
軽海峡あたりからそろそろよい機嫌になって来られた。これは内密だが、一寸長唄に懸腕
直筆で富士山の画がお得意だ。D中学校長は温厚そのものといっていい。円い眼の笑えば....