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直線
「直線〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
直線の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「保吉の手帳から」より 著者:芥川竜之介
オトの上の空間は絶えず何かを破裂させる。同時にネットの右や左へ薄白《うすじろ》い
直線を迸《ほとばし》らせる。あれは球《たま》の飛ぶのではない。目に見えぬ三鞭酒《....
「或る女」より 著者:有島武郎
いってくださればあなたの立場も理解ができると思うんだけれどもなあ。……僕はあまり
直線的すぎるんでしょうか。僕は世の中を sun-clear に見たいと思いますよ....
「広津氏に答う」より 著者:有島武郎
な現われにまで還元することである。蛇行《だこう》して達しうる人間の実際の方向を、
直線によって描き直すことである。もし社会主義の思想が真理であったとしても、もし実....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
運動を示すものである。 図の小黒圏は諸星の現在の位置を示す。この圏点から引いた
直線はその星が最近三五〇〇年間に動いた軌道を示すものである。これから分る通り、三....
「星あかり」より 著者:泉鏡花
しも轣轆の音の聞えなかったことも念頭に置かないで、早くこの懊悩を洗い流そうと、一
直線に、夜明に間もないと考えたから、人憚らず足早に進んだ。荒物屋の軒下の薄暗い処....
「春の上河内へ」より 著者:板倉勝宣
があたると、木の影が雪の上にさす。何という美しさであろう。スキーは例の通り谷を一
直線に登って行く。夏の道は左にある。頂上近くでいよいよ風が烈しくなる。温度は大し....
「かんかん虫」より 著者:有島武郎
ばカザン寺院の縁日で売る火難盗賊除けのペテロの画像見た様で、太い眉の下に上睫の一
直線になった大きな眼が二つ。それに挾まれて、不規則な小亜細亜特有な鋭からぬ鼻。大....
「貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
くら葉の散ったのが、一つ一つ皆|蟹になりそうに見えるまで、濡々と森の梢を潜って、
直線に高い。その途中、処々夏草の茂りに蔽われたのに、雲の影が映って暗い。 縦横....
「神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
なのを、もろ翼を添えて、白鷺が、すれすれに水を切って、鳥旦那の来り迫る波がしらと
直線に、水脚を切って行く。その、花片に、いやその腹帯の端に、キラキラと、虫が居て....
「世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
けて、まるで一生懸命になって太陽に達しようとでもしているように、夕日にむかって一
直線に歩いて行った。彼は常に太陽にむかって真っ直ぐに歩いてゆくのである。そこで、....
「雪霊続記」より 著者:泉鏡花
頭の和犬、むく犬の、耳の青竹をそいだように立ったのが、吹雪の滝を、上の峰から、一
直線に飛下りたごとく思われます。たちまち私の傍を近々と横ぎって、左右に雪の白泡を....
「カタカナニツイテ」より 著者:伊丹万作
人ニチガイナイ。元来、ヒラガナノ構成単位ハ曲線デアリ、楷書トカタカナノ構成単位ハ
直線デアル。コノ事実ガ右ノ調和ウンヌンニ深イ関係ヲ持ツコトハイウマデモナイ。 四....
「錦紗」より 著者:犬田卯
中があれがいいこれがいいと迷っているうちには行き着ける。」 国道は沼岸を稍々一
直線に走り、電柱が汀に面した片側を次第に小さくなって、そして森やまばらな木立に覆....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
く※と立った。 水平線上は一脈|金色である。朱に溶けたその波を、火の鳥のように
直線に飛んで、真面に銅像を射たのであった。 しばらくして、男女は、台石の巌とも....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
て老熟して来ただけそれだけ或る一種の臭みを帯びていた。言換えると『浮雲』の描写は
直線的に極めて鋭どく、色彩や情趣に欠けている代りには露西亜の作風の新らしい匂いが....