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直轄
「直轄〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
直轄の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「灯台鬼」より 著者:大阪圭吉
巻灯台へ本省からのきびしい注意があたえられた。 ところがこの灯台は逓信省灯台局
直轄の三等灯台で、れッきとした看守人が二人おり、その家族や小使を合わせて目下六人....
「天主閣の音」より 著者:国枝史郎
きであったか、古書から少しく抜萃ことにしよう。 「……諸事凡て江戸、大阪等、幕府
直轄地同様の政治をなさんとせり。されば同年七月の盆踊には、早くも掛提灯、懸行燈等....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
度に人民へ給与せられたものである。さて、徳川治世のはじめになって、この谷では幕府
直轄の代官を新しい主人公に迎えて見ると、それが山村氏の祖先であったが、諸事石川備....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
穀倉地帯である。伊達政宗は早くもここに目をつけで、この地だけは臣下に与えず自分の
直轄地とし、年々ミノリ豊かなこの地の米を江戸へ売って儲けていたのである。維新後の....
「大鵬のゆくえ」より 著者:国枝史郎
た五十恰好の坊主。これが主人の専斎で、奥医師で五百俵、役高を加えて七百俵、若年寄
直轄で法印の官を持っている。 「おおこれは藪殿で。ひどい目に遭いましてな。が、ま....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
人だったが、演壇に上るといきなり両手を拡げてピタリと演壇にかぶせ、 「本県は予が
直轄する所であるから……」 と初めた。私は不快の感に打たれた。話そのものも何等....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
いう説がある。真偽は当てにならないが、北上平野は政宗が家臣の領地にも与えなかった
直轄の穀倉地帯であり、その産物を運ぶために大運河をほって北上川の河口を石巻にうつ....
「純情狸」より 著者:佐藤垢石
ろうけれど、茂林寺の近所の邑楽郡地方には、今でも盛んに出没している。殊に、内務省
直轄で築造した渡良瀬川の堤防には、狸の穴があちこちにあって、村の人は、しばしば狸....
「かたき討雑感」より 著者:岡本綺堂
こともなかったから、やはりかたき討は絶えなかったのである。 ◇ 幕府
直轄の土地には殆どその例を聞かないようであるが、藩地ではかたき討の願書を差出して....
「四十年前」より 著者:内田魯庵
大学的主義を排して高等学術を授け、外国語を重要課目として旁ら洋楽及び舞踏を教え、
直轄女学校の学生には洋装せしめ、高等女学校には欧風寄宿舎を設け、英国婦人の監督の....
「飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
から徳川氏初年までは金森氏ここを領していたが、金森氏が罪を獲てから更に徳川幕府の
直轄となって、所謂代官支配地として明治まで引続いて来たのである。で、此土地の人が....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
でラブラン・チェンボという。これを直訳しますとラマの大なる台所という意味で、法王
直轄の地方及びその各|荘田主から――人民よりは間接に取立てる訳です――税品を取立....
「春雪の出羽路の三日」より 著者:喜田貞吉
てよいほどで、鳥居氏以下わずか百四十五年間に十一家の領主を改め、その間時に幕府の
直轄地ともなったこともある。かくて明和四年に秋元家が、六万石でここに移封したさい....
「建国の事情と万世一系の思想」より 著者:津田左右吉
の軍事的設備が後までも設けられなかったこと、なども、またこの推測を助ける。皇室の
直轄領やヤマトの朝廷の権力者の領土が、地方的豪族の領土の間に点綴して置かれはした....
「賤民概説」より 著者:喜田貞吉
「カラ」という語を仲間の意に用いている。大化以前には国造県主等の所領の外に、天皇
直轄御領の公田すなわち大御田があって、その農民すなわち公民を大御田族と呼んだもの....