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直通
「直通〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
直通の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「猫町」より 著者:萩原朔太郎
っているし、都会風の飲食店なども少しはあった。温泉地からそれらの町へは、いずれも
直通の道路があって、毎日定期の乗合馬車《のりあいばしゃ》が往復していた。特にその....
「汽笛」より 著者:佐左木俊郎
ようにして小さくなり顔を伏せるのだった。貞吉はあわてて彼女の手を解《ほど》いた。
直通列車が凄《すさ》まじい速力で囂々《ごうごう》と二人の頭の上を過ぎて行った。 ....
「人造人間殺害事件」より 著者:海野十三
社ではあるけれども、その背後には某大国の官憲の庇護《ひご》があり、上海の警視庁と
直通しているといわれ、何のことはない、某大国と中国警察との共同変装のようなもので....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
りゃ訳はないよ」浩は云った。 「丁度いま、磯崎の防空監視哨と東京の中央電話局との
直通電話を架設して来たばかりだ。あれで話せば、直ぐ東京が出る」 「じゃ、あたし直....
「単独行」より 著者:加藤文太郎
電車にうまく連絡しているので、いつも富山市電の遅いのに参っている彼は、これ幸いと
直通切符を買って電車へ乗込みました。電車はなんらの事故もなく南富山へ着きました。....
「巌流島」より 著者:直木三十五
いう事は、早き期を知り、遅き期を知り、のがるる期を知り、のがれざる期を知る、一流
直通という極意あり、此事《このこと》品々《しなじな》口伝《くでん》なり。 と....
「断層顔」より 著者:海野十三
ない。 「僕はみんな聞いていましたがねえ」と蜂葉は壁にはめこみになっている応接室
直通のテレビジョン装置を指し、「おじさんは今の女に惚れているんですか」 物にさ....
「乳色の靄」より 著者:葉山嘉樹
じく、あらゆる地面を蔽ってはいたが、捕えるのに往生した。 下の関行きの、二三等
直通列車が走った。 彼は、長い時間を食堂車でつぶして、ビールの汗で体中を飴湯で....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
つきの給仕に化けてその貸切室へ出入し、十五分ごとに彼らの言動のすべてを倫敦本社へ
直通電話していた。しかし新聞には彼の言わないことばかり出るといって、召使用|昇降....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
なれば、小大名のお代官でも大抵、怖《こわ》いものの看板になっている。それが大公儀
直通の検地お代官なのだから始末が悪い! みるみる引っくくられたものが束になって....
「巴里のむす子へ」より 著者:岡本かの子
は永いのだか短いのだか判らない。あまりに日夜思い続ける私とおまえとの間には最早や
直通の心の橋が出来ていて、歳月も距離も殆ど影響しないように感ぜられる。私たち二人....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
ていなかった。 その二。荒巻敏司は十一月二十九日午後四時四十五分新橋発神戸行の
直通にのって故郷四国へ赴く筈であったが、その翌日も、翌々日も東京に居た。彼が東京....
「扉は語らず」より 著者:小舟勝二
は暗黒のビルディングの中を、手探りで三階商品券売場まで泳ぎつくことだ。宿直室への
直通電話がそこの壁に彼を待っている。釦を押して電波を呼び醒ます。宿直員は途中三枚....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
の飯能行きで終点まで行き、吾野行きに乗りかえ(同じ西武電車だが池袋から吾野行きの
直通はなく、いっぺん飯能で乗りかえなければならない)飯能から二ツ目の駅が高麗です....
「たましいの教育」より 著者:羽仁もと子
ずる幼児、それにお行儀をおしえ、道徳をおしえ、あるいは親のさまざまの好みや主観を
直通させること、それは頭の悪い軽薄な人間を、セルロイドのおもちゃのように造ってゆ....