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相する
「相する〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
相するの前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「白髪小僧」より 著者:杉山萠円
とした。ところがこの時遅く彼《か》の時早く、紅矢は又もや一声高く―― 「待て。粗
相するな。王様だぞ」 と叫んだ。それと一所に、向うから来る者は赤い鳥を左の拳《....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
とに致しましょう」 源之丞は隣室へ耳を澄ました。 「うん、それがいい、うんと変
相するがいい。昔の面影のないように。園女が園女だと知れないように」 ひとしきり....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
説を覆し、結局勝重の意見をいれた。栄吉や清助は宗太の意を受けて、改めて埋葬の地を
相するため雨の中を出かけた。 悲しい夜が来た。霊前には親戚旧知のものが集まった....
「日本人の自然観」より 著者:寺田寅彦
を異にした学問である。 たとえば、昔の日本人が集落を作り架構を施すにはまず地を
相することを知っていた。西欧科学を輸入した現代日本人は西洋と日本とで自然の環境に....
「颱風雑俎」より 著者:寺田寅彦
これはむしろ当然すぎるほど当然なことであると云わなければならない。 昔は「地を
相する」という術があったが明治大正の間にこの術が見失われてしまったようである。颱....
「犬神娘」より 著者:国枝史郎
侍様が凛々しい重みのある澄んだ声で、そう捕吏たちに云いました。 「人違いじゃ、粗
相するなと。……平野次郎|国臣は嘘言は云わぬよ。……月照上人など当庵にはおられぬ....
「善悪両面鼠小僧」より 著者:国枝史郎
ことである。 鼠小僧事和泉屋次郎吉。これがその賊の名であった。 「薬を飲んで変
相すると、急に悪心が萌しましてね、どうでも悪事をしなければ苦しくて苦しくて居たた....
「三国志」より 著者:吉川英治
すると、理を説いて、こうつけ加えた。 「なぜならば――です。私が天文を観じ人命を
相するに、この度の大戦に、曹操の隆運とその軍力の滅散するは必定でありますが、なお....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
、たしかな筋から耳にいれていた。 「ほんとかの?」 義貞は、あやぶんで、 「粗
相するな」 と、彼の執事振りにも、その渉外面の行き過ぎにも、注意を与えたほどだ....
「民族の感歎」より 著者:折口信夫
描き得たものがあるというだけのことであった。私をこわがらせる――こうした空虚を具
相する心、此人の心を俟って具相し得た真実相が、茲にはあったことを言っておきたいの....