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相伝
「相伝〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
相伝の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「海異記」より 著者:泉鏡花
、烏をじろりと横目に覗くと、いつも前はだけの胡坐の膝へ、台尻重く引つけ置く、三代
相伝の火縄銃、のッそりと取上げて、フッと吹くと、ぱッと立つ、障子のほこりが目に入....
「茶の本」より 著者:岡倉覚三
に。茶はたてるごとに、それぞれ個性を備え、水と熱に対する特別の親和力を持ち、世々
相伝の追憶を伴ない、それ独特の話しぶりがある。真の美は必ず常にここに存するのであ....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
を善くする者あることは、前漢時代の記録にも見えている。これも恐らくそれらの遺術を
相伝したもので、仏氏の正法ではない。それであるから、黄教の者は紅教徒を称して、あ....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
拍子が尋常んじゃない。……親なり師匠の叔父きの膝に、小児の時から、抱かれて習った
相伝だ。対手の節の隙間を切って、伸縮みを緊めつ、緩めつ、声の重味を刎上げて、咽喉....
「白金之絵図」より 著者:泉鏡花
前番のお能のロンギを、野声を放って習うもござる。 が、おのれ見よ。与五郎、鬼神
相伝の秘術を見しょう。と思うのが汽車の和尚じゃ。この心を見物衆の重石に置いて、呼....
「茸の舞姫」より 著者:泉鏡花
していかにも高慢で、且つ翁寂びる。争われぬのは、お祖父さんの御典医から、父典養に
相伝して、脈を取って、ト小指を刎ねた時の容体と少しも変らぬ。 杢若が、さとと云....
「湯女の魂」より 著者:泉鏡花
安く御承諾下さいましては、かえって失礼になりましてござりまする。 早速当人にも
相伝えまして、久しぶりで飛んだ喜ばせてやりました。全く御蔭様でござりまする。何が....
「死剣と生縄」より 著者:江見水蔭
戸を出たので有った。疾くに目的を達して今頃は江戸に帰り、喜ぶ恩師の顔を見て、一家
相伝の極意秘伝を停滞なく受けていなければ成らぬのが、意外な支障に引掛って、三月余....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
香。緑玉、真珠、紅玉を装らせたい。某国――公使の、その一品を贈ものに使ってから、
相伝えて、外国の註文が少くない。 ただ、ここに不思議な事がある。一度手に入れた....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
れも、私が魅されたのかも知れない。間淵に、例の「魔道伝書」がありましょう。女房に
相伝していないと言われますか――お聞きになれば分るんですが。 「何を差上げます。....
「妖怪学」より 著者:井上円了
ののち禹王のとき、『洛書』と称して、洛水より大亀上がり、その背に文あり。これより
相伝えて九星起こるという。九星の名目は左のごとし。 一白 二黒 三碧 四緑....
「迷信解」より 著者:井上円了
、虚言、大言を吐きて人の耳目を引かんとする風ありて、ために針よりも小なることが、
相伝えて棒のごとく大きくなり、あるいは一犬虚を吠えて万犬実を伝うるに至る場合は、....
「妖怪玄談」より 著者:井上円了
る繊維を遠心性神経と定めて論ずるに、「呂」点において受くるところの刺激は、次第に
相伝えて「伊」に達し、「伊」点において起こるところの興奮は、次第に
相伝えて「波」....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
る。ここにおいて、真実は商業上に必要なることの風説を社会の上に流すに至り、その説
相伝えて風をなし、俗をなし、一般の性質となり、自然の教育となり、善良の商人を化成....
「西航日録」より 著者:井上円了
一致流の和歌をよみ、これを普通の英文に直訳して示せるに、余はポエットなりとの評判
相伝わり、ダブリンの寓舎およびバンガーの宿所にても、記念に一作をとどめよとの請求....