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相図
「相図〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
相図の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
終わらないうちに、そうして、次郎がそれを聞かないもののように、再び指を口に含んで
相図を吹こうとした時に、盗人たちの何人かが、むらむらと備えを乱して、左右へ分かれ....
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
れは御多忙で。」
と言ったかと思うと、市兵衛は煙管で灰吹きを叩《たた》いたのが
相図《あいず》のように、今までの話はすっかり忘れたという顔をして、突然|鼠小僧次....
「毛利先生」より 著者:芥川竜之介
の級の一人を「さん」づけにして指名した。勿論すぐに席を離れて、訳読して見ろと云う
相図《あいず》である。そこでその生徒は立ち上って、ロビンソン・クルウソオか何かの....
「路上」より 著者:芥川竜之介
ぐち》に火を付けながら、半ば皮肉な表情を浮べた眼で、もう一度「それから?」と云う
相図《あいず》をした。
「そこで君から一つ、新田《にった》さんへ紹介してやって貰....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
ちのみこと》だ。」と、囁いてくれるものがあった。 大男は静に手を挙げて、彼に何か
相図《あいず》をした。それが彼には何となく、その高麗剣《こまつるぎ》を抜けと云う....
「忠義」より 著者:芥川竜之介
立って、もう一応、往来の右左を見廻した。そうして、それから槍で、一同に左へ行けと
相図をした。
二 田中宇左衛門
林右衛門《りんえもん》の立ち退《....
「或る女」より 著者:有島武郎
は、物慣れた様子でポッケットからいくらかを水夫の手につかませておいて、上を向いて
相図をすると、船梯子《ふなばしご》はきりきりと水平に巻き上げられて行く、それを事....
「或る女」より 著者:有島武郎
床の間に移すと、自分の隣に座ぶとんを敷いて、それにすわれと顎《あご》を突き出して
相図した。そして激しく手を鳴らした。
「コップと炭酸水を持って来い」
用を聞き....
「人造人間殺害事件」より 著者:海野十三
そこに自動車が待たせてありますの、さあ、早く行きましょう」 夫人が左手をあげて
相図《あいず》をすると、路傍に眠っていた真黒なパッカードが、ゆらゆらとこちらへ近....
「日本脱出記」より 著者:大杉栄
ちょっと聞きとれないので聞き直した。 「もしお望みの娘がいましたら、ちょっと私に
相図して下さい。すぐ呼んで来ますから。」 ボーイはそう言って、何か小さな紙片を....
「怪塔王」より 著者:海野十三
たまま白布を手にして振り、爺さんはしきりに炭焼竈の煙をさかんにあげて飛行機の方に
相図をしました。 その
相図が通じたのか、その飛行機はぐるぐる旋回をはじめながら....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
が一|段も二|段も上じゃ……。』 『あれ、雨の竜神さんが、こちらを向いて、何やら
相図をして向うの方に飛んで行かれます……。』 『それは、そろそろ雨を切上げる
相図....
「黄八丈の小袖」より 著者:岡本綺堂
に寝ていたお久が不意に此方へ向いて輾転を打った。お菊は吃驚して見かえると、それを
相図のようにお熊は窃と起った。どこかで既う一番鶏の歌う声が聞えた。 それから八....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
たのである。俺は貧乏人だから絹が買えないといって、寒冷紗の裏へ黄土を塗って地獄変
相図を極彩色で描いた。尤も極彩色といっても泥画の小汚い極彩色で、ことさらに寒冷紗....
「飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
した。加之も落ちたる松明を取って、傍の小川に投げ込んで了った。 火の消えるのを
相図のように、同じ木蔭から又もや怪しい者がばらばらと飛び出して、安行を手取り足取....