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「相場師〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

相場師の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
妖婆」より 著者:芥川竜之介
しく、「ありゃね、君、僕の家の上華客《じょうとくい》で、鍵惣《かぎそう》って云う相場師《そうばし》だよ。僕は事によるとお敏さんを妾《めかけ》にしたいと云っている....
青春の逆説」より 著者:織田作之助
孫が出来て、店にぺたりと坐った一文菓子を売る動作も名人芸のような落着きがあった。相場師も夜逃げをしなかった。 公設市場が出来ても、そんな町のありさまは変らなか....
世相」より 著者:織田作之助
辰の提灯を出した。四年の間に万とつく金が出来て、三十五歳で妻帯した。細君は北浜の相場師の娘だったが、家が破産して女専を二年で退学し、芸者に出なければならぬ破目に....
ふもれすく」より 著者:辻潤
はどうやら、社会の職業は文士であるようではあるが、文士や芸術家以外に職人、役者、相場師、落語家、娼婦、社会主義、船乗り、アナーキスト、坊主、女工、芸者、――その....
わが町」より 著者:織田作之助
の婆さんももうかれこれ十五年寺の門前で甘酒の屋台を出していた。夏でも出していた。相場師も夜逃げをしなかった。落語家も家賃を六つもためて、十七年一つ路地に居着いて....
」より 著者:島崎藤村
き道は兜町の方角より外に無い――尤も、これは再三再四熟考した上のことで、いよいよ相場師として立とうと決心した、と言出した。 何か冒険談でも聞くように、しばらく....
楢重雑筆」より 著者:小出楢重
そうですか、でおしまいだ、わけのない話しだ。 ところで画家の魂なども商売人とか相場師の魂と雑居しているとやはり魂は住み心地が悪い、鯉が空気と住んでいるようなも....
めでたき風景」より 著者:小出楢重
ばある程、こんな有様とならざるを得ません。だから今もなお役者、相撲取、博奕打ち、相場師、泥棒、芸妓、など一寸さきの気にかかる商売をするものに迷信家が多いようであ....
大切な雰囲気」より 著者:小出楢重
いたりする。春が来ても、夏が去っても、秋が来ても、全くの無関係においてライオンは相場師の形相において家族と来客を睨んでいる。 子供の成長してからの追憶は、常に....
第二菎蒻本」より 著者:泉鏡花
るとね、逗留をして帰らないから、旦那は不断女にかけると狂人のような嫉妬やきだし、相場師と云うのが博徒でね、命知らずの破落戸の子分は多し、知れると面倒だから、次の....
開運の鼓」より 著者:国枝史郎
は誇りも驕ぶりもしなかった。いつも門戸を開放し来るに任せて談笑した。官吏も来れば相場師も来る。力士も来れば茶屋の女将も来る。 それはある日のことであったが、八....
娘の生霊」より 著者:田中貢太郎
相場師の娘が、父親にねだって買ってもらった衣服を、知りあいの裁縫師の処へ縫わしに....
赤げっと 支那あちこち」より 著者:国枝史郎
我等の同行者はこの上海旅行を洋行と称していた)初めて洋服を着たという紳士(その実相場師なんだがね)その相場師の紳士が、レデー・メードの洋服を着て、デッキを横行闊....
ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
んは、ほかに身の置場所のない仕事場で、さあ、こうなると酷いものです。……がら落の相場師は、侠気はあっても苦しい余りに、そちこち、玉子の黄味ぐらいまで形のついた。....
わが町」より 著者:織田作之助
た。散髪に来る客の気を惹くためにそうしているらしく、それが一そう縁遠い娘めいた。相場師も夜逃げしなかった。落語家も家賃を五つためて、十年一つ路地に居着いていた。....