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相応
「相応〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
相応の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「捨児」より 著者:芥川竜之介
きな寺じゃありません。ただ日朗上人《にちろうしょうにん》の御木像があるとか云う、
相応《そうおう》に由緒《ゆいしょ》のある寺だそうです。その寺の門前に、明治二十二....
「運」より 著者:芥川竜之介
いものだからね。つまり、神仏を相手に、一商売をするようなものさ。」
青侍は、年
相応な上調子《うわちょうし》なもの言いをして、下唇を舐《な》めながら、きょろきょ....
「或る女」より 著者:有島武郎
。事務長ぐらいの給料で余財ができているとは考えられない。まして倉地のように身分不
相応な金づかいをしていた男にはなおの事だ。その点だけから見てもこの孤独は破られな....
「弓町より」より 著者:石川啄木
とは、いうまでもなく叙上の心持と齟齬《そご》している。 しかしそれにはまたそれ
相応の理由があった。私は小説を書きたかった。否、書くつもりであった。また実際書い....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
したら、」と首を振る。 「お前たちは、」 と主税は呆れた顔で呵々と笑って、 「
相応に気が利かないのに、早飲込だからこんがらがって仕様がない。め組もまた、さんざ....
「美術曲芸しん粉細工」より 著者:阿部徳蔵
花を咲かせるので御座います。もし造上げましたる鉢の花が、お客様お抜取りの籤の花と
相応いたしてをりましたら、お手拍子御唱采の程をお願ひいたします。』 かういつて....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
係は容易に了解することができるのである。』 『身体の各部分は一つ一つ特別な遊星に
相応していて、たとえば温熱の源たる心臓は太陽に
相応し、脳は太陰に、肝臓は木星に、....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
の樹立の骨ばかりなのを視めながら、桑名の停車場へ下りた旅客がある。 月の影には
相応しい、真黒な外套の、痩せた身体にちと広過ぎるを緩く着て、焦茶色の中折帽、真新....
「女客」より 著者:泉鏡花
私はまた私で、何です、なまじ薄髯の生えた意気地のない兄哥がついているから起って、
相応にどうにか遣繰って行かれるだろう、と思うから、食物の足りぬ阿母を、世間でも黙....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
なった母親の記念の裾模様を着て参りました。……手織木綿に前垂した、それならば身分
相応ですから、人様の前に出られます。時おくれの古い紋着、襦袢も帯もうつりません、....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
ら、飯田町|通を、三崎町の原へ大斜めに行く場所である。が、あの辺は家々の庭背戸が
相応に広く、板塀、裏木戸、生垣の幾曲り、で、根岸の里の雪の卯の花、水の紫陽花の風....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
じゃ。それほど私のことを思ってくれるのなら、そんな我侭を言うかわりに、みっしり身
相応の修行をしてくれるがよい。そして思い出したらちょいちょい私の許に遊びに来てた....
「亡び行く江戸趣味」より 著者:淡島寒月
またバタバタ音を立てるような種々の形容楽器に苦心して、劇になくてはならない気分を
相応に添えたものである。芝居の時間も長くはねは十二時過ぎから一時過ぎに及び、朝も....
「寡婦」より 著者:秋田滋
かけました。少年は時折り立ちどまって眼をあげるのでしたが、何かこう、その年頃には
相応しくないものを見たり、考えたり、感じたりしているようでした。 月のあかるい....
「瓜の涙」より 著者:泉鏡花
て見えるまで、その処々色が褪せて禿げている。――茶の唐縮緬の帯、それよりも煙草に
相応わないのは、東京のなにがし工業学校の金色の徽章のついた制帽で、巻莨ならまだし....