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相愛
「相愛〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
相愛の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「武蔵野」より 著者:国木田独歩
や逍遥《しょうよう》しつらん相|悪《にく》む人は相避けて異なる道をへだたりていき
相愛する人は相合して同じ道を手に手とりつつかえりつらん」との一節があった。野原の....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
顧的な生活にのみ囲繞されている地上の生活に於て、私はその最も純粋に近い現われを、
相愛の極、健全な愛人の間に結ばれる抱擁に於て見出だすことが出来ると思う。彼等の床....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
ある。私は他人との接触そのものを大なる事実であり、目的であると考えたい。たとえば
相愛する女と月白く花咲ける籬に相擁して、無量の悦楽を感じたとする。このときの情緒....
「蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
合せて重瞳《ちょうどう》と隻眼と相射った時、ウム、面白そうな奴、話せそうな奴、と
相愛したことは疑無い。だが、お互に愛しきったか何様だか、イヤお互に底の底までは愛....
「出奔」より 著者:伊藤野枝
いと思っている。甘ったるい関係などは全然造りたくないと思っている。俺は汝と痛切な
相愛の生活を送ってみたいと思っている。もちろんあらゆる習俗から切り離された――否....
「橋」より 著者:池谷信三郎
ています。彼女は私のたった一人の恋人です。外国の話しにこんなのがあります。二人の
相愛の恋人が、山登りをして、女が足を滑らせ、底知れぬ氷河の割目に落ちこんでしまっ....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
うちには起きないほどであった。すべての外面上の事柄から観察すると、かれらは確かに
相愛の仲であった。かれらは路ばたでささやくには、あまりに神聖であるかのように、た....
「「別居」について」より 著者:伊藤野枝
退けて進むには、私はあまりに多くの未練と愛着を過去の生活に持ち過ぎました。二人が
相愛の生活を遂げるために払った価が、まだ余程高価なものに思われました。そうしたこ....
「人生における離合について」より 著者:倉田百三
です」と今はいっている。 またすべての人が苦い別離を味わうとは限らない。自然に
相愛して結婚し、幸福な家庭を作って、終生愛し通して終わる者ははなはだ多い。しかし....
「貞操問答」より 著者:菊池寛
美沢という男を好きであったと聞かされて、前川には急に、自責の気持が起った。二人の
相愛関係が破れて、美沢が、美和子の方へ走っている原因には、自分というものがあるの....
「青春の息の痕」より 著者:倉田百三
インノセントな男女よりもひとたび性欲に落ちて、それを厭離したる男女が神に祈りつつ
相愛し、貞潔を守り、もし性欲に落つれば神に潔めを求めつつ共生することによって実現....
「空中征服」より 著者:賀川豊彦
それが新しい心中です! つまり新理想主義の心中というのは、水に溺れないで、男女
相愛するものが解放運動のためにともに手を取って戦いつつ倒れることを言うのです! ....
「自由なる空想」より 著者:小川未明
勇ましく、信ずるところに進んでこそ、人間の幸福は感ぜらるゝ。しかるに矛盾に生き、
相愛さなければならぬと知りながら、日々、陰鬱なる闘争を余儀なくさせられるのは、抑....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
一組。男は中脊の目尻下り、女は髪を等分の、これはこってりの、おちょぼ口。その恋々
相愛の、手に肩、肩に頬を寄せて、私たちの見る眼も憚らぬ御遊歩である。 「なんだい....
「蛇性の執念」より 著者:大倉燁子
が不幸ではありますが、頭もいいし、風采も綺麗だし何一つ不自由なく育ったばかりか、
相愛の綾子さんを得て、実に幸福の絶頂にあるのではありませんか。そういう恵まれた境....