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相打ち
「相打ち〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
相打ちの前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「三右衛門の罪」より 著者:芥川竜之介
しは相打《あいう》ちを伝えるために、まっ直に扇を挙げて居りました。しかしその時も
相打ちではなかったのかもわかりませぬ。あるいは先後《せんご》を定めるのに迷って居....
「寛永武道鑑」より 著者:直木三十五
質問をしたのに、興をさまして、黙っていると、半兵衛が 「槍をとれば、大言ながら、
相打ちにまでは勝負しよう」 そう云うと、立上った。問うた者が、周章《あわ》てて....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
兵馬の竹刀それよりも速きか遅きか突き! これは前のよりも一層深かった。尋常ならば
相打ち。問題はいずれの刀がどれほど深いか浅いかであって、島田虎之助はそれを何とも....
「雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
くも無心な、いじらしい赤児を――
どうして、憎み苦しめられようかという感情と、
相打ちつづけているに相違ない。
が、彼は、泣き止んで、やさしい、むちむちした手....
「映画雑感(Ⅰ)」より 著者:寺田寅彦
はり、音の生成機巧に共通なところがあるからであろう。すなわち、浜べで無数の砂利が
相打ち相きしるように無数の蝗の羽根が轢音を発している、その集団的効果があのように....
「花咲ける石」より 著者:坂口安吾
りまわしているような錯覚を感じる。武蔵も夢想権之助の棒には手を焼き、一般にこれを
相打ちと称されているが、実際には武蔵が一生に一度の負けをとっている事実があるのだ....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
において、偶然彼と逢いましてな、懇望されて立合いましたが……」 「勝負は?」 「
相打ち」 「…………」 「見事に足を。……」 「足を?」 「さよう。払われました....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
その位置をかえないかぎり、武蔵の方から打ってゆく策は絶対なかった。この中の一名と
相打ちして死ぬ気ならばそれも可能であるが、さもなければ、敵の一名から行動してくる....