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相接する
「相接する〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
相接するの前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
それさえも茫となる。 その目に、ひらりと影が見えた。真向うに、矗立した壁面と、
相接するその階段へ、上から、黒く落ちて、鳥影のように映った。が、羽音はしないで、....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
下萌えのない芝原に、スクスクと生い立った松の大幹の梢が、豪宕《ごうとう》な海風と
相接する音を聞くと、言わん方なき爽快と、閑雅にひたされる。海は豪宕のうちに無限と....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
女優と闘牛士なんて、どっちも西班牙の生活に重大な別社会を作ってる人気商売である。
相接する機会が多く、じっさい、何だかんだとしじゅう一しょに噂の種を蒔いて世間の脚....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
こに地平線の立つ一カ所がある。北海道を除いて日本内地では、天と陸とが一線を引いて
相接するところは、おそらくこの一カ所の沿線のほかはないだろうと思う。少なくとも、....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
ろ食わない方を彼は望んだ。そして幾日も絶食したことさえあった。彼はあらゆる極端が
相接することを思い、注意しなければ物質的の零落は精神の堕落をきたすことを思って、....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
裏に隠されてる痛ましい困窮があるとともに、また熱烈なるまれなる知力がある。両極端
相接するの危険は、ことに困窮と知力との両極端をもってする時に大である。
サン・....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
天空を天井としている。愛に聖《きよ》められた二つの脣《くちびる》が、創造のために
相接する時、その得も言えぬ脣《くち》づけの上には、星辰《せいしん》の広漠《こうば....
「女大学評論」より 著者:福沢諭吉
孔子を云々して、子女の教訓に小学又は女大学等の主義を唱え、家法最も厳重にして親子
相接するにも賓客の如く、曾て行儀を乱りたることなく、一見|甚《はなは》だ美なるに....
「映画雑感(Ⅶ)」より 著者:寺田寅彦
界に中立地帯のようにしかも高次元の空間に組み立てられた俳諧の世界がある。実と虚と
相接するところに虚実を超越した真如の境地があって、そこに風流が生まれ、粋が芽ばえ....
「学者安心論」より 著者:福沢諭吉
なり。その有様に密接すること、同居人が眠食をともにするが如くなるがゆえなり。その
相接すること密《みつ》に過ぎ、かえって他の全体を見ること能わずして、局処をうかが....
「和算の社会的・芸術的特性について」より 著者:三上義夫
計算上に符号を錯誤して誤ったのだとかいうことである。平野喜房の『浅致算法』付録に
相接する三円間に杉成《すぎなり》形に内容した諸円の問題のごときも、また少数の場合....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
るも、西北はその明らかなること白昼のごとく、東南やや蒼然たるを見る。しかして水天
相接する所は余光なお赤し。夜半灯光を用いずして、大小の文字ことごとく弁ずべし。昼....
「東西相触れて」より 著者:新渡戸稲造
とある。 ここだ、二人の強き個人が互に直面して互の顔を見合い、互の心を打明けて
相接する時は、両者は純然たる人間として交わることなれば、その間に何の蟠《わだかま....
「早稲田神楽坂」より 著者:加能作次郎
じめて通った時分には、今の半分位の狭い陰気な通りで、低い長屋建の家の廂が両側から
相接するように突き出ていて、雨の日など傘をさして二人並んで歩くにも困難な程だった....