» 相撃

「相撃〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

相撃の前後の文節・文章を表示しています。該当する5件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
式部小路」より 著者:泉鏡花
差覗くと、浅い底に、その銀の平打の簪が映って、流が糸のようにかかるごとに、小石と相撃って、戛然として響くかと、伸びつ、縮みつする。が、娘はあえて、過って、これを....
運命」より 著者:幸田露伴
を懼るゝか、抑亦孝孺の厳※の操履、燕王の剛邁の気象、二者|相遇わば、氷塊の鉄塊と相撃ち、鷲王と龍王との相闘うが如き凄惨狠毒の光景を生ぜんことを想察して預め之を防....
丹下左膳」より 著者:林不忘
》は今し高潮に達したとみえ、ふみきる跫音《あしおと》、鉄《あらがね》とあらがねの相撃ちきしみあうひびき、人の心胆を寒からしめる殺気、刀気……ののしるこえ、物を投....
海豹島」より 著者:久生十蘭
九月の末ごろまで、膃肭獣どもの産褥となり、逞しい情欲の寝床となる。匍匐し、挑み、相撃ち、逃惑い、追跡する暗褐色の数万のグロテスクな海獣どもの咆哮と叫喚は、劈《つ....
青年」より 著者:森鴎外
る。そういう利己主義は己にもある。あの時己は理性の光に刹那の間照されたが、歯牙の相撃とうとするまでになった神経興奮の雲が、それを忽ち蔽ってしまった。その刹那の光....