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相方
「相方〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
相方の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
て寛文十年の春が来た。求馬はその頃から人知れず、吉原の廓《くるわ》に通い出した。
相方《あいかた》は和泉屋《いずみや》の楓《かえで》と云う、所謂《いわゆる》散茶女....
「星座」より 著者:有島武郎
奥さん。僕なんざあとてもおぬいさんのマッチではない。マッチですか。マッチというと
相方かな(これはしまったと思って、渡瀬は素早く奥さんの顔色を窺《うかが》ったが、....
「籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
、江戸町《えどちょう》二丁目の大兵庫屋《おおひょうごや》にあがった。次郎左衛門の
相方《あいかた》は八橋《やつはし》という若い美しい遊女であった。八橋は彼を好まし....
「箕輪心中」より 著者:岡本綺堂
あった。 連れのひとりは此の時代の江戸の侍にありがちな粋《いき》な男であった。
相方《あいかた》の玉琴にも面白がられていた。外記は初めてこの里の土を踏んだ初心《....
「心中浪華の春雨」より 著者:岡本綺堂
や友達にすすめられて、六三郎はその年の夏に初めて新屋敷の福島屋へ足を踏み込んだ。
相方《あいかた》の遊女はお園《その》といって、六三郎よりも三つの年かさであった。....
「鳥辺山心中」より 著者:岡本綺堂
で、彼女はまずこの人が自分の客であるかないかを確かめようとした。 「お前さまのお
相方《あいかた》はどなたでござります」 「おれは知らぬ。おれは今夜初めて誘われて....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
のである。妙義の妓は啣《ふく》み水でその血を洗うことを知っているので、今夜の客も
相方《あいかた》の妓のふくみ水でその疵口を洗わせていた。 「おまえさんの手は白い....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
れは店者の習いとして夜なかに早帰りをしなければならなかった。いつもの事であるから
相方のお駒も心得ていて、中引け前にはきっと起して帰すことになっていたのであるが、....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
しくふところを温めたので、すぐに港崎町の廓通いをはじめて、岩亀楼の小秀という女を
相方に、身分不相応の大尽風を吹かせていたが、所詮はボーイの身の上でそんな贅沢遊び....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
いう女郎屋にはいり込んだ。 ここは友蔵の娘が奉公している店で、そのお国が清七の
相方に出た。お浅という女が幾次郎に買われた。お国はそのとき二十歳で、この店の売れ....
「三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
頻りにと云ったところで、月に二三度ぐらいのことでしたが、それでも殿様は大執心で、
相方の女に取っても、その店に取っても、大変にいゝお客様であったのです。 諸越が....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
ら家中総出で、お迎えするんでございますが、何しろ今晩は馬大尽様が、そのお山さんを
相方にして、しかも家を総仕舞いにして、誰もあげるなと有仰って……」 その時林蔵....
「註文帳」より 著者:泉鏡花
蓋が取れて手が切れるなんざ、おっと禁句、」とこの際、障子の内へ聞かせたさに、捨吉
相方なしの台辞あり。 五助はまめだって、 「よくそう謂いなせえよ、」 「十九日....
「斎藤緑雨」より 著者:内田魯庵
たちが下司な河岸遊びをしたり、或る人が三ツ蒲団の上で新聞小説を書いて得意になって
相方の女に読んで聞かせたり、また或る大家が吉原は何となく不潔なような気がするとい....
「明治演劇年表」より 著者:岡本綺堂
旅興行中に死す、四十九歳。大酒のため晩年は振わざりしが、壮年時代は団十郎菊五郎の
相方を勤めたる有名の女形なり。 ○四月、明治座は喜劇曾我廼家五郎と十郎の一座にて....