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相槌
「相槌〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
相槌の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「十円札」より 著者:芥川竜之介
ね。」
粟野さんは常談とも真面目《まじめ》ともつかずに、こう煮《に》え切らない
相槌《あいづち》を打った。
道の両側《りょうがわ》はいつのまにか、ごみごみした....
「魚河岸」より 著者:芥川竜之介
《がいとう》の袖をはねながら、快活に我々と話し続けた。如丹は静かに笑い笑い、話の
相槌《あいづち》を打っていた。その内に我々はいつのまにか、河岸の取《とっ》つきへ....
「耽溺」より 著者:岩野泡鳴
手はじめになるのだということをつけ加えた。 「そりゃア御もっともです」と、お袋は
相槌を打って、「そのことはこの子からも聴きましたが、先生が何でもお世話してくださ....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
議の方も、今度は足並が揃っていませんがあれでどうしようというのですかねえ」 と
相槌を打ったのは、主任書記の鴨志田番一氏だった。 「しかし僕は市会と市長との対立....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
を見廻わしながら云った。 「来年は、隣りの間も、ぶちぬいて使うんですね」黄一郎が
相槌をうった。 「それじゃ、宴会みたいになるね」長造は、癖で指先で丸い頤をグルグ....
「地球盗難」より 著者:海野十三
とで発生したものではないでしょうか」 「大きにそうかも知れない」 と大隅学士は
相槌をうった。だがこのとき二人がもっと冷静であってくれれば、その後に当然考えつか....
「渾沌未分」より 著者:岡本かの子
ろですなあ。遠泳会はうまく行くね」 掌を差し出して風の脈に触れてみてから貝原は
相槌を打った。 肩や両脇を太紐で荒くかがって風の抜けるようにしてある陣羽織式の....
「金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
その一つでしょう」 あるとき鼎造にこういわれると、専門家の宗十郎の方が覚束なく
相槌を打ったのだった。 「多分、そうなのでしょう。何しろ三四代も続いているという....
「地獄の使者」より 著者:海野十三
のことを注意する余裕なんかございませんでした」 「ああ、そうですか」検事は素直に
相槌をうった。 「ところで、当夜あなたが鶴彌氏に対し、何か毒物を与えたのではない....
「今昔ばなし抱合兵団」より 著者:海野十三
壕が出来る筈だ。そう思いませんか」 「それはそうだね」と私は青年にさからわぬよう
相槌をうった。 「とにかくわれわれは、世界中で最も勝れた市民だということを忘れて....
「空中漂流一週間」より 著者:海野十三
いる六条にいった。 「ふん、なんだか動きもしなくなったようではないか」 六条が
相槌をうった。高度計を見ると、実に八千メートルの高空だ。いくら夏でも、これは寒い....
「人造人間エフ氏」より 著者:海野十三
思うと、いやだなあ」と、正太は、心がくらくなった。 「ああもっともだ」と、帆村は
相槌を打って、「あんなものは、見ない方がいいよ。君は、頭をさげて、じっと見ないで....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
うです、閣下。杉田は、あのように涙を流して泣いています」 と、中尉は得意そうに
相槌をうった。 杉田は、いつまでも声をあげて泣きつづけていた。 ああ、われら....
「初雪」より 著者:秋田滋
「そうですわねえ、まったくですわ。それは好くないことですわ」 彼女はただそう
相槌を打ちながら、心ではまるで別なことを考えていた。 冬が来た。雨の多い、寒い....
「ガルスワーシーの家」より 著者:岡本かの子
籠っていた。 老夫人は特に客に此の結論に注意せよといったふうに、「その通り」と
相槌をうった。 話が余りにまとまりよく、そして鮮かに引き結ばれたので、その後に....