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「相殺〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

相殺の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
映画時代」より 著者:寺田寅彦
や》」の貧民窟《ひんみんくつ》のシーンでもがそうである。セットの各要素がかえって相殺《そうさい》し相剋《そうこく》して感じがまとまらない。これらの点についても、....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
ゝ為に、彼は蛇を忌み嫌い而して恐るゝのであるまいか。 生命は共通である。生存は相殺である。自然は偏倚を容さぬ。愛憎は我等が宇宙に縋る二本の手である。好悪は人生....
映画芸術」より 著者:寺田寅彦
ものではなく、対位法的、調音的に編集さるべきものである。並行的使用は両方の要素を相殺し、対位法的編成は二つのものを生かし強調するのである。 有色映画 ....
涼味数題」より 著者:寺田寅彦
よると、太平洋岸や瀬戸内海沿岸の多くの場所では、いわゆる陸軟風と季節的な主風とが相殺するために、夕なぎの時間が延長されるのであるが、東京では、特殊な地形的関係の....
共軛回転弾」より 著者:海野十三
たものが、三百何十種収められて居り、その袋の表面を見ると、「世界一の発明。引力|相殺装置」とか「世界一の発明、宇宙線を原動力とせる殲滅戦兵器」とかいった具合に、....
現代哲学講話」より 著者:戸坂潤
れば、元来世論は一つのものではなくて対立的なのであったから、二つの対立した世論は相殺し合って何の世論も残らなくなって了うだろう。それでもなお何か世論を掴み出すこ....
現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
、不幸の上にその不幸を利用されるのを見ると、吾々の同情は二倍になるのか、それとも相殺されて了うのか、一寸わからない。 社会問題は今や挙げて農村対策に集中され、....
夕凪と夕風」より 著者:寺田寅彦
代りに海陸風がかなり著しく発達している、そうして夕方から夜へかけては前者が後者と相殺する、そのために夕凪がかなりはっきり現れる、そうして海陸の位置分布の関係でこ....
私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
かし米国は大国である。市場が大きい、広告費は大量生産による生産費の引下げによって相殺される。 鵜の真似をする烏、日本の広告万能主義の人々が当然うくべき名前であ....
純粋経済学要論」より 著者:手塚寿郎
商品の微少な量の売または買しか生ぜしめないこと、(三)売の影響と買の影響とが互に相殺し合うこと。 右に(B)の製造量の変化の影響についていったことは、また、(....
人身御供と人柱」より 著者:喜田貞吉
場合に限ったもので、今の所謂食人々種だとて、豚や牛を屠って喰う様に、平素人間同士相殺してそれを食糧とするのではない。したがって食物の意味で人間を神に捧げるとの解....
ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
しょう。 そのうちに国は無政府の状態になって、上下|交々争い、 兄弟|牆に鬩ぎ、相殺し、 城と城との間、市と市との間、工業組合と 貴族との間、僧官と僧侶と信徒と....
単純化は唯一の武器だ」より 著者:小川未明
たる機械文明は見られなくとも、また大量的な生産機関に発達しなくとも、そのかわり、相殺し、相陥ることから全く救われていたと言える。しかるに、資本主義的文化によって....
特殊部落ということについて」より 著者:喜田貞吉
らぬ。否彼らは、従来世人から軽侮せられるの来歴を有していたものであるから、それと相殺すべく普通民以上に向上するの覚悟を有せねばならぬ。しからざれば折角の差別撤去....
新古細句銀座通」より 著者:岸田劉生
それは、よきがゆえに亡びて行くのである。今後の文明は、趣味生活と文質的便利とが、相殺せず、よき調和を保つものになって行くと思われる、というよりも、今後の文明にお....