相聞[語句情報] »
相聞
「相聞〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
相聞の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「さようなら」より 著者:田中英光
代にはこうした素朴な別離の言葉があったのだろう。(幸《さき》ありませ)との一句を
相聞、覊旅《きりょ》の歌の処々にみうけた気がするし、「われは妹想う、別れきぬれば....
「乱世」より 著者:菊池寛
送って、朝廷へ帰順の取成しを、嘆願したのである。 今般大阪表の始末|柄、在所表へ
相聞え、深奉恐入候に付き上下一同謹慎|罷在候。抑も尊王の大義は兼て厚く相心得罷在....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
、大樹(家茂)においてはいまだ若年の儀にて、諸事奸吏どもの腹中より出で候おもむき
相聞こえ、格別寛大の沙汰をもって、しばらく宥恕いたし候につき、速かに姦徒の罪状を....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
休めその食物を運びつかわし候ようの風儀に御座候。交易と申し候えば品物に限り候よう
相聞こえ候えども、新規発明の儀など互いに通じ合い、国益いたし候もまた交易の一端に....
「獄中記」より 著者:大杉栄
子の最後から二章目の章の終りに、甘其食、美其衣、安其所、楽其俗、隣国相望、鶏犬声
相聞、民至老死不相往来という、その消極的無政府の社会が描かれてある。最初の一字の....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ノ祝儀ヲ為シ、近所ノ者寄リ集マリ、作法|宜《よろ》シカラザル儀|之《こ》レ有ル段
相聞エ候、以後右ノ様子ノ族《やから》、之レ有ルニ於テハ、急度《きっと》、御吟味ヲ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
はなく、口当りがいいから、それで思わず繰返されるのかも知れない。そうでなければ、
相聞《そうもん》の歌では、これがいちばん男性的であるというような意味で、良斎先生....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
》に勅命抔と申触《まうしふら》し在々農民を党類に引入候類も有之哉《これあるや》に
相聞き、今般御上洛|被仰出折柄難捨置《おほせいださるるをりからすておきがたく》、....
「獄中消息」より 著者:大杉栄
老子の最後から二章目の終りに、甘其食、美其衣、安其居、楽其俗、鄰国相望、鶏犬声
相聞、民至老死不相往来という、その理想の消極的無政府の社会が描かれてある。最初の....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
いる海人の漁火の光を頼りにして歩いて行く、月の出を待ちながら、というので、やはり
相聞の気持の歌であろう。男が通ってゆく時の或時の逢遭を詠んだものと解釈していいだ....
「十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
そこでとうとう対抗上『近来浪人体ノ者所々ヘ大勢|罷越、村方ノ手ニ難及、会難儀候段
相聞候』というように、多勢が一緒にかたまって、押し借りをするようになってしまい、....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
の上だけでは二人は相思の仲であるような空気がかもされた。それから後に見せ合う歌は
相聞の部に入る歌になってしまった。しかしそれは現実の恋であるよりも歌の上の恋であ....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
附候|趣、虚実ニ不拘見聞ニ及ビ候|通、有体ニ訴出ベキ所、上モナク恐多キ儀ヲ、厚ク
相聞エ候様|取拵申立候儀ハ、都テ公儀ヲ憚ラザル致方、不届ノ至、殊ニ其方共ノ訴ヨリ....
「なよたけ」より 著者:加藤道夫
わば何か嘆かむ、だ。……………知ってるかい、清原。 清原 む。……万葉、巻十三、
相聞の反歌だ。 文麻呂 恋とはああ云うものだよ。僕はそう信ずる。恋とはただ一つの....
「歌の円寂する時」より 著者:折口信夫
来ない。奈良朝になっても、そうした意味の贈答を主として居た為、兄妹・姉妹・姑姪の
相聞往来にも、恋愛気分の豊かなものを含めた短歌が用いられている。其引き続きとして....