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相観
「相観〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
相観の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「蟇の血」より 著者:田中貢太郎
み耽っていた。それは軍備縮少の徹底的主張とか、生存権の脅威から来る社会的罪悪の諸
相観とか、華盛頓会議と軍備制限とか、そう云うような見出しを置いた評論文であった。....
「ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
めむと欲す。山門高く聳えては真如実相の月を迎へ、殿堂|甍を聯ねては仏土|金色の日
相観を送る。林泉奥深うして水|碧く砂白きほとり、鳥|啼き、魚|躍つて、念仏、念法....
「俳句の精神」より 著者:寺田寅彦
というのが日本人なのである。 こういうふうな立場から見れば「花鳥諷詠」とか「実
相観入」とか「写生」とか「真実」とかいうようないろいろなモットーも皆一つのことの....
「科学論」より 著者:戸坂潤
思い出さねばならぬ。すでに述べたように、彼による実験的方法の提唱はその中世的な形
相観にも拘らず、他ではないスコラ哲学の僧侶的知識に対して意識的に反抗するためのも....
「円朝の牡丹灯籠」より 著者:田中貢太郎
ょうか」 それは新三郎も望むところであったが、ただ孫店に住む白翁堂勇斎と云う人
相観が、何かにつけて新三郎の面倒を見ているので、それに知れないようにしなくてはな....
「生活と一枚の宗教」より 著者:倉田百三
きない。善いとか悪いとかいえないものであります。それが一つの実相であります。「実
相観入」ということは、芸術のほうではよくいいます。つまり実相をみてそのなかにはい....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
『阿部一族』における蜻蛉の描写なども凄いほどの効果を示しているといって、鴎外の実
相観入の力を称えている。 その通りである。鶴見は一も二もなくそう思った。長十郎....
「三国志」より 著者:吉川英治
治世の能臣だが、また乱世の奸雄だ」 と予言したのは、洛陽の名士|許子将という人
相観だった。 怒るかと思いのほか、その時、曹操という素寒貧の一青年は、 「奸雄....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
いッそ今、打割っていうわけだが」 「…………」 「幼少のとき、この高氏は、さる人
相観から剣難の相があると予言されておる。ひょっとしたら、わしは戦場で仆れる宿命な....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
創作的なものだそうだ。芸術にしたところで、何といっても東洋精神に限るよ。」 「実
相観入かい。」 「近頃の歌壇の慣用語でいえば、そうさ。だが、写生の語義を伝神とか....