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盻
「盻〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
盻の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「根岸お行の松 因果塚の由来」より 著者:三遊亭円朝
り、ごみを塵取りに盛りながら、通りの賑《にぎや》かなのに気が注《つ》いてフイト顧
盻《みかえ》りますと、此の頃|美男《びなん》と評判のはげしい一中節の門付が我を忘....
「自転車日記」より 著者:夏目漱石
あっぱれ武者《むしゃ》ぶりたのもしかったがいよいよ鞍《くら》に跨《またが》って顧
盻《こけい》勇を示す一段になるとおあつらえ通《どお》りに参らない、いざという間際....
「運命」より 著者:幸田露伴
し。 其終章に曰く、 明年 二三月、 羅山 花 正に開かん。 高きに登りて 日に
盻望し、 子が能く 重ねて来るを遅たむ。 其才を称し、其学を勧め、其の流れて文....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
長く書き邪視と訳した。その後一切経を調べると、『四分律蔵』に邪眼、『玉耶経』に邪
盻《じゃけい》、『増一阿含』に悪眼、『僧護経』『菩薩処胎経』に見毒、『蘇婆呼童子....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
して奔馬を欺く。小児はもとより年頃の男女銭を払い時間を定め、それに乗りて歓呼|顧
盻《こけい》しいた。酒ほどにはとても面白からぬ故、その遊びの名さえ聞かなんだが、....
「艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
だとすると、擁剣蟹は白熱した太陽の正視を怖れているのみならず、また青白い満月の流
盻をすらも嫌がっているのだ。 こんな性分の擁剣蟹にとっては、一月でもいい、月の....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
浅葱のように目に淡い、藤色|縮緬の二枚着で、姿の寂しい、二十ばかりの若い芸者を流
盻に掛けつつ、 「このお座敷は貰うて上げるから、なあ和女、もうちゃっと内へお去に....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
ある。 袖で頬をこすって、 「いやね。」 ツイと横を向きながら、おかしく、流
盻が密と行くと、今度は、短冊の方から顎でしゃくる。顎ではない、舌である。細く長い....
「三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
い声がした。ドコの百姓が下らぬ低級の落語に見っともない大声を出して笑うのかと、顧
盻って見ると諸方の演説会で見覚えの島田沼南であった。例の通りに白壁のように塗り立....