眉を顰める[語句情報] »
眉を顰める
「眉を顰める〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
眉を顰めるの前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「赤外線男」より 著者:海野十三
んに訊ねた。 「なんですか、どうも気味の悪い話なんでござんすよ」と内儀さんは細い
眉を顰めると、赤い裏のついた前垂を両手で顔の上へ持っていった。「あのアパートの五....
「狂乱」より 著者:近松秋江
うにいう。 私はつくづくと彼ら母子の者の世にも薄命の者であることを思いながら、
眉を顰めるようにして、 「あんた、銭を儲けなければならないなんて、それは何とか出....
「伊太利亜の古陶」より 著者:宮本百合子
どの話をした。何を話し出しても夫人は、 「私共のようになりましてはねえ」 と微に
眉を顰めるばかりである。到底全心を打ちこめない弱々しい殆ど退屈な会話の傍ら、みや....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
忌むべき傾向を孕んでいる。たとえばいわゆる演説家とクリスチャンの増加するのは私は
眉を顰める。演説家はまだいい、クリスチャンの踵を接して生ずるのは最も苦々しき事実....
「私の貞操観」より 著者:与謝野晶子
住んでいた。 親戚の者から縁談を勧める事もあったが、自分が汚らわしいという風に
眉を顰めるので、自分の前でそんな話を持出す人も後には全くなくなった。親たちも家に....
「売色鴨南蛮」より 著者:泉鏡花
手柄で。鬢の色っぽい処から……それそれ、少し仰向いている顔つき。他人が、ちょっと
眉を顰める工合を、その細君は小鼻から口元に皺を寄せる癖がある。……それまでが、そ....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
」 と半ば呟くがごとくに云って、 「では、昨夜あたりはさぞ……」 と聞く方が
眉を顰める。 「ええ、酷うございました、どうせ、夜が寝られはしないんですから、」....
「縁結び」より 著者:泉鏡花
ね、よそから来た私にゃ、名を聞かなくっちゃ分らんじゃないか、どなただよ。」 と
眉を顰める。 「そんな顔をなすったってようございます。ちっとも恐くはありませんわ....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
しい、小さな、数知れぬ蝶々で。 お雪は双の袂の真中を絞って持ち、留まれば美しい
眉を顰める少年の顔の前を、絶えず払い退け、払い退けする。その都度|死装束として身....
「美醜」より 著者:豊島与志雄
、私の身体など、所嫌わず、飛び廻る。 虫を嫌う友人などは、そうした私の書斎に、
眉を顰める。が私は、一二の人間の気を迎えるために、窓を閉めることもしたくないし、....
「人魚謎お岩殺し」より 著者:小栗虫太郎
その側から掻巻をかかげ、入り込もうとしている久米八は、さぞ自分が残した、温かみに
眉を顰めることであろう。 そうでなくてさえ儀右衛門は、そうと知ってからというも....
「木綿以前の事」より 著者:柳田国男
どまでに徹底して効を奏したという証拠のごとくにも解釈せられ、もとはこの介抱だけは
眉を顰める人もなく、普通に酒宴の後始末として女たちが引き受けていたのである。 ....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
の髭をちょっとひねって、仰向いて目を細めた。もう赤くなっている。 「どうも。」と
眉を顰めるとまた、赤っ面を振って、 「さびしゅうしてならんけん。誰も彼もぐうぐう....
「春泥」より 著者:久保田万太郎
した気がした。 小倉の顔を見るとすぐかれはそれをいった。 「旅行中だ?」小倉は
眉を顰めるようにした。「で、どこへ行ったといった?」 「それは聞かなかったが、お....