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「眉尻〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

眉尻の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
天主閣の音」より 著者:国枝史郎
かず立ったまま、香具師は憎さげに罵った。 「これよっくだが、只一点違う所は、左の眉尻に墨子がある。どうだどうだ一言もあるめえ!」 どうしたものか是を聞くと、越....
賈后と小吏」より 著者:田中貢太郎
可即帰寝」 小吏不敢辞、遂侍仙妃枕席。とろとろと燃える燈の光は仙妃の左か右かの眉尻にある小さな疵痕を見せた。青年は幸福に浸りながらその疵痕に眼をやった。 朝....
亮の追憶」より 著者:寺田寅彦
ではあるが、そういうふうの一種のオリジナリティもない事はなかった。 たしか右の眉尻の上に真紅な血ぼくろのようなものがあって、それを傷つけると血が止めどもなく流....
理想の女」より 著者:豊島与志雄
子に違いなかった。斜め左から両方へ分けられた髪が、冷悧な広い額を半ば隠していた。眉尻が心持ち下り、眼尻が心持ち上っていた。はっきりうち開いた眼の中に、艶やかな瞳....
野ざらし」より 著者:豊島与志雄
がぼーっと曇ってきた。 「佐伯さん!」 呼ばれたので振返ると、沢子が下り加減の眉尻をなお下げて、眼をまん円くして、彼を招いていた。彼は戻っていった。 「あなた....
金魚」より 著者:豊島与志雄
いだろう、」と彼は云った。「はあどうぞ、」と給仕は慌てたように答えながら、片方の眉尻を下げ口を少し歪めて、変な顔をした。彼は可笑しくなった。笑を押えて眼を円くし....
」より 著者:黒島伝治
、何だ、こんな男か、と思った。 二人が話している傍へ、通訳が、顔の平べったい、眉尻の下っている一人の鮮人をつれて這入って来た。阿片の臭いが鼻にプンと来た。鰌髭....
銅銭会事変」より 著者:国枝史郎
の髪を総髪に結んだ、無髯童顔の威厳のある顔が、まず弓之助の眼を惹いた。左の眉毛の眉尻に、豌豆ほどの黒子があった。 「はてな?」と弓之助は呟いた。武士の眼使いが変....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
にはまたこういうことが書いてあった。 ――身長|並、痩せ形、髪くろく色白、右の眉尻に黒子、他に特徴なし、年二十四、当時無宿、江戸浅草孔雀長屋人別、紋日の虎五|....