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「看守〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

看守の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:芥川竜之介
この門の前に立ち、長い半白《はんぱく》の髭《ひげ》を垂《た》らした、好人物らしい看守《かんしゅ》に名刺を渡した。それから余り門と離れていない、庇《ひさし》に厚い....
猿蟹合戦」より 著者:芥川竜之介
下は蟹の死を是《ぜ》なりとした。現に死刑の行われた夜《よ》、判事、検事、弁護士、看守《かんしゅ》、死刑執行人、教誨師《きょうかいし》等は四十八時間熟睡したそうで....
早春」より 著者:芥川竜之介
うよりは損をした気もちに近いものを感じた。 爬虫類の標本室はひっそりしている。看守《かんしゅ》さえ今日《きょう》は歩いていない。その中にただ薄ら寒い防虫剤《ぼ....
星座」より 著者:有島武郎
それに手を延ばすまでの一挙一動はもとより、どういう風に気持が動いているかを厳しく看守しながら、いささかでも父の権威を冒すような風があったら、そのままにはしておか....
階段」より 著者:海野十三
、すっきりした青年理学士で、物静かな半面に多分の神経質がひそんでいるのが一と目で看守せられた。僕よりは四歳上の丁度三十歳で、友江田先生よりは矢張り四歳下になって....
柿色の紙風船」より 著者:海野十三
大変うまくいったのだが、唯一つ困ったことが出来た。 「なんか異状はないか」 と看守が、私の独房の窓から、室内を覗きこんだ。 「はア、困っていますんで……」 「....
灯台鬼」より 著者:大阪圭吉
があたえられた。 ところがこの灯台は逓信省灯台局直轄の三等灯台で、れッきとした看守人が二人おり、その家族や小使を合わせて目下六人もの人々が暮しているのだ。しか....
地獄の使者」より 著者:海野十三
を数えあげた。検事がそれを数えている間、帆村荘六はこれまでにない硬い表情でそれを看守っていた。 検事の部下は、トランクを一個持って来て、命ぜられたものを一つ一....
英本土上陸作戦の前夜」より 著者:海野十三
一人の東洋人らしい男が送り出された。 彼に随いて、この門まで足を運んだ背の高い看守が、釈放囚の肩をぽんと叩き、 「じゃあミスター・F。気をつけていくがいい。娑....
不思議なる空間断層」より 著者:海野十三
… そのとき入口の鉄扉がぎいーっと開いた。そして私の予期したとおり手錠をもった看守長に続いて、痩躯鶴のような典獄さんと、それから大きな山芋に金襴の衣を被せたよ....
ある男の堕落」より 著者:伊藤野枝
それを喜んで読むかと思いの外、彼は非常に怒りました。「講談本なんぞを入れて貰うと看守共が馬鹿にする」というのです。彼のこの子供らしい単純な見栄にはみんなただ笑う....
良夜」より 著者:饗庭篁村
へ脱ぎたる衣類の間には彼の三十円あれば、据風呂の中へ入りながらも首を伸してこれを看守りたり。出立つ前に年寄の忠告にも、「旅は明日志す所へ着くというその夜は誰も安....
作画について」より 著者:上村松園
つも人だかりが絶えなかった。 ところが、女の私の名声をねたむ人があって、ある日看守のすきをねらって、何者とも知れない不徳漢が、亀遊の顔を鉛筆でめちゃめちゃに汚....
透明人間」より 著者:ウェルズハーバート・ジョージ
で話してたことですから、まちがいありません」 「名案ですな。ハルステッド刑務所の看守たちが知ってる男に、警察犬を飼っておる男がいるそうですから、さっそく手配しま....
私の履歴書」より 著者:浅沼稲次郎
彦、徳田球一、小岩井浄、田所輝明など第一次共産党事件関係者などもいて警戒は厳重、看守の態度もきわめて非人間的であった。 私はトコトンまで追い詰められて、かえっ....