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看板娘
「看板娘〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
看板娘の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
断すると、むろんのことにそれが竹丸というのに相違なく、しかも両々さすがに売り物の
看板娘というだけがものはあって、なかなかにあなどりがたいあでやかさでしたから、 ....
「オリンポスの果実」より 著者:田中英光
スタンドがあって、そこに、十八|歳《さい》になる、ナンシイという可愛《かわい》い
看板娘《かんばんむすめ》がおりました。
ぼくなぞは、夜間照明のベエスボオルなど....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
の鑑定じゃあ、親達も薄々それを気付いているが、表向きにすりゃあ妹の首に縄がつく。
看板娘が一度に二人も無くなって、おまけに店から引き廻しが出ちゃあ、もうこの土地で....
「鮨」より 著者:岡本かの子
かな明るいものを自分の気持ちのなかに点じられて笑う。ともよは、その程度の福ずしの
看板娘であった。 客のなかの湊というのは、五十過ぎぐらいの紳士で、濃い眉がしら....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
年です。五月に私の父が九十三歳で死にました。私は父を捨て、「みみずのたはこと」の
看板娘であった鶴子を其父母に返えし、門を閉じ、人を謝して、生きながら墓の中に入り....
「傾城買虎之巻」より 著者:直木三十五
た。 「医者坊主の娘にしておくのは勿体《もったい》ないな。鹿の角細工店でも出して
看板娘にすると、よう儲かるで」 と、諸国遊覧客の懐を相手に暮している奈良町人碌....
「三人の相馬大作」より 著者:直木三十五
分になっては、あの女には第一逢え無くなる) 女狩は、自分に、不相応な、水茶屋の
看板娘が、大作を討取ったという名に惚れて、好意を見せているのを、しみじみと考えた....
「旅愁」より 著者:横光利一
う気持ちを技術の拙劣さに隠す便利も出来て、一層この勝負は時間を忘れ、同乗の婦人も
看板娘のようにますます役目を自覚して来る。そして、衝突の度びに発する火華が口づけ....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
、とんと行方が知れませぬ由――」
愚楽の地獄耳といって、巷の出来事は、煙草屋の
看板娘の情事《いろごと》から、横町の犬の喧嘩まで、そっくりこの愚楽老人へつつぬけ....
「置土産」より 著者:国木田独歩
は主人の姪、一人は女房の姪、お絹はやせ形の年上、お常は丸く肥りて色白く、都ならば
看板娘の役なれどこの二人は衣装にも振りにも頓着なく、糯米を磨ぐことから小豆を煮る....
「金銭無情」より 著者:坂口安吾
なみに扱はれるんぢや、見せてあげられない。とびきりの美人なのだから、店の客ひきの
看板娘に絶好で、通ひだつたら夕方五時から十時まで三千円、住みこみ五千円、但しこの....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
まるで違って、陽気な派手な家風だった。商業を進取的にやっていた。種子姉は西洋店の
看板娘と言われて、街中の評判の美人であった。この姉はおめかし屋で、小説や、芝居を....
「釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
まこと》しやかに言い立てる者もあれば、何さ、札《ふだ》の辻《つじ》辺りの煙草屋の
看板娘が情夫《おとこ》に瞞されたあげくの果てでげす、世の娘にはいい見せしめでげす....