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「看破〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

看破の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
。若《も》し牛乳の為とすれば、少しでも弱みを見せたが最後、彼の友だちは彼の秘密を看破してしまうのに違いなかった。彼はその為にどう言う時でも彼の友だちの挑戦に応じ....
玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
おります。これがわたくしの勤めでございますから。」 玄鶴は彼の計画も甲野の為に看破《みやぶ》られたのを感じた。が、ちょっと頷《うなず》いたぎり、何も言わずに狸....
」より 著者:芥川竜之介
彼女自身の優越《ゆうえつ》を感ぜずにはいられなかった。それは辰子よりも人間の心を看破《かんぱ》していると言う優越だった。あるいは辰子ほど空疎な理想に捉《とら》わ....
少年」より 著者:芥川竜之介
。云わば Delphi の巫女《みこ》である。道の上の秘密《ひみつ》もとうの昔に看破《かんぱ》しているのに違いない。保吉はだんだん不平の代りにこの二《ふた》すじ....
保吉の手帳から」より 著者:芥川竜之介
箱をポケットへ返した。しかし保吉は今日《こんにち》もなおこの勇ましい守衛の秘密を看破《かんぱ》したことと信じている。あの一点のマッチの火は保吉のためにばかり擦《....
義血侠血」より 著者:泉鏡花
家の女子とは思い懸《か》けざりき、寡《すく》なくとも、海に山に五百年の怪物たるを看破したりけれども、見世物小屋に起き臥しせる乞食芸人の徒ならんとは、実に意表に出....
鬼仏洞事件」より 著者:海野十三
た。彼女は、女ながらももう覚悟をきめていた。一旦ここまで来た以上、鬼仏洞の秘密を看破するまでは、どんなことがあっても引揚げまいと思った。 入口の重い鉄扉は、人....
時限爆弾奇譚」より 著者:海野十三
。 とある。 冗談じゃない。この説明にあるような柱時計は、すぐ一目で特異性を看破し得らるるような、どこにもここにもあるという物品ではないというわけではなく、....
英本土上陸作戦の前夜」より 著者:海野十三
。すると、監獄道のところですね」 「ああ、そうだよ」 彼は、運転手に、心の中を看破られたような気がした。 「ドイツの飛行機は、監獄なんか狙って、どうするつもり....
世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
は生の鼓動を感じ、わしの腕には力を感じ、わしの誇りとする思想は鷲のごとくに空間を看破する。わしの領土のどんな遠い所でも、わしの作った法律の庇護のもとに、人民は生....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
そんな拙な真似はいたしません。天狗がどんな立派な姿に化けていても、すぐその正体を看破して了います。大体に於て申しますと、天狗の正体は人間よりは少し大きく、そして....
狂人日記」より 著者:井上紅梅
人のおやじを引張って来てぶらぶら歩いて来た。彼の眼には気味悪い光が満ち、わたしの看破りを恐れるように、ひたすら頭を下げて地に向い、眼鏡の横べりからチラリとわたし....
人造物語」より 著者:海野十三
三度は鳴子というトーキー式演出に驚かされたが、早くも、それが人造人間であることを看破し、その後は案山子の上に糞をしかけるという仇討まで、やらかした。 ....
おばけずきのいわれ少々と処女作」より 著者:泉鏡花
にこれを東京に郵送して先生の校閲を願ったが、先生は一読して直ちに僕が当時の心状を看破せられた。返事は折返し届いて、お前の筆端には自殺を楽むような精神が仄見える。....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
翼に保持せねばならぬ。将帥の慧眼が広茫数十里に至る波瀾重畳の戦場に於て決戦地点を看破した後、初めて予備隊を移動するが如き事は不可能である。予備隊は既に会戦のため....