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「県道〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

県道の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
星座」より 著者:有島武郎
をすくめ、懐《ふとこ》ろ手をしながら、落葉や朽葉とともにぬかるみになった粘土質の県道を、難渋《なんじゅう》し抜いて孵化場《ふかじょう》の方へと川沿いを溯《さかの....
電報」より 著者:黒島伝治
油屋の坊っちゃんは、あどけない声で奥さんにこんなことを云いながら、村へ通じている県道を一番先に歩いた。それにつづいて、下車客はそれぞれ自分の家へ帰りかけた。 「....
姪子」より 著者:伊藤左千夫
道へ這入《はい》った、それからおれが松尾へ往きついてもまだ日が出なかった、松尾は県道筋について町めいてる処《ところ》へ樹木に富んだ岡を背負ってるから、屋敷構《や....
春の潮」より 著者:伊藤左千夫
の湯の洗濯にかこつけ、省作を待つのである。 おとよが家の大体をいうと、北を表に県道を前にした屋敷構えである。南の裏庭広く、物置きや板倉が縦に母屋に続いて、短冊....
紅黄録」より 著者:伊藤左千夫
の村が目の前に見える。十町ばかり一目に見渡す青田のたんぼの中を、まっすぐに通った県道、その取付きの一構え、わが生家の森の木間から変わりなき家倉の屋根が見えて心も....
空襲葬送曲」より 著者:海野十三
、何処へ行く? 愛国者よ頑張れ 千葉県を横断して、茨城県に通ずる幅の広い県道を、風を截って驀進する一台の幌自動車があった。スピード・メーターの指度は四十....
単独行」より 著者:加藤文太郎
イル会(三菱)に入ってからこの味が少しわかりだし、大正十三年以来兵庫県内の国道と県道を四百里ほど歩いた。大正十四年の八月終りには蓮華温泉から白馬岳に登り鎗温泉に....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
に一軒の休み茶屋が見えるところまで行くと、賤母の森林地帯に沿うて河づたいに新しい県道を開鑿しようとする工事も始まっているころであった。遠くの方で岩壁を爆破させる....
灯明之巻」より 著者:泉鏡花
番頭の愛想を聞流しに乗って出た。 惜いかな、阿武隈川の川筋は通らなかった。が、県道へ掛って、しばらくすると、道の左右は、一様に青葉して、梢が深く、枝が茂った。....
ある女の生涯」より 著者:島崎藤村
送った。学校の生徒らしい夏帽子に土地風なカルサン穿きで、時々|後方を振返り振返り県道に添うて歩いて行く小さな甥の後姿は、おげんの眼に残った。 三吉が帰って行っ....
次郎物語」より 著者:下村湖人
陥落しちゃいかんぞ。」 大巻の家を出ると、次郎はなぜか急にしょんぼりとなった。県道に出るまでは、二人はいっしょの道だったが、しばらくはどちらからも口をきかなか....
この握りめし」より 著者:岸田国士
する村はずれの紅葉と若葉の頃はバスの乗客がいずれも眼を輝やかせて絶景をたゝえる、県道と村道との岐れ道であるが、その人里をはなれた道ばたにスキイ帽をかぶつた屈強そ....
安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
と策動したのですが、勿論これも駄目、そして私の多血症をねらってか、或る日、“明日県道修理の義務人夫に出ろ、出られなければ皆にお茶菓子代を買え”と言って来たのです....
濁酒を恋う」より 著者:佐藤垢石
てになった。洋食屋ができて、トンカツを売っている。碓氷峠の方へ通う路は、このごろ県道になってバスが砂塵をあげて走っている。 石油発動機と、濁酒とはどうしても結....
平ヶ岳登攀記」より 著者:高頭仁兵衛
通学していた頃には、一尺ばかりの作場道であって人家などなかったのが、今は三間余の県道が通じて五十軒ばかりの人家が出来た、新来迎寺駅(魚沼鉄道)の軽便鉄道に搭じて....