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「真っすぐ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

真っすぐの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
誘惑」より 著者:芥川竜之介
33 前の山みちの側面。鍔の広い帽子にマントルを着た影はおのずから真っすぐに立ち上る。尤《もっと》も立ち上ってしまった時はもう唯の影ではない。山羊....
転機」より 著者:伊藤野枝
まえば、この堤防の外の土地とは何の高低もない普通の平地だということや、窪地の中を真っすぐに一と筋向うの土手まで続いている広い路も、この堤防で遮られた、先刻の町の....
自叙伝」より 著者:大杉栄
つ僕に持たしてこう言った。そしてすぐの妹に一番下の弟をおんぶさした。 西ヶ輪を真っすぐに行けば、三、四町でもう練兵場の入口なのだ。練兵場にはもうぼつぼつ荷物が....
停車場の少女」より 著者:岡本綺堂
返して見ようかとも思いました。それもなんだか馬鹿らしいように思いました。このまま真っすぐに東京へ帰ろうか、それとも湯河原へ引っ返そうかと、わたくしはいろいろに考....
島原心中」より 著者:菊池寛
女の死体のある元の四畳半に帰って行ったのです。さすがに、女の死体は、蒲団の上に、真っすぐに寝かされていました。よれよれに垢じみた綿ネルらしい寝衣を、剥ぎ取られた....
娘煙術師」より 著者:国枝史郎
―という心持ちが動いたものと見えてガタガタと地上へひざまずくと、抜き身を膝の前へ真っすぐに置き、両手を柄頭の後方へ置いた。「これでよろしゅうございましょうな。…....
雷門以北」より 著者:久保田万太郎
った。 ……「浅倉屋の露地」を出抜けたわたしはそのまま泥溝にそって公園の外廓を真っすぐにあるいた。いまのパウリスタの角を右に切れて――その左つ角に大鹿という玉....
支倉事件」より 著者:甲賀三郎
一週間程前に堀留署から転任した人だった。前任地では管内の博徒を顫え上らした人で、真っすぐな竹を割ったような気性の人で、よく物の分る半面には中々譲らない所があり、....
駈落」より 著者:佐左木俊郎
った。 「父《とっ》つあん、俺、先に出掛けて、片岡さ寄って行んから、父つあんは、真っすぐに田圃《たんぼ》さ行ぐんだ。」 菊枝は、食事の父親に、こう言い置いて、....
早すぎる埋葬」より 著者:佐々木直次郎
に掘り出された。彼はそのとき外見上は死んでいるように見えたが、棺のなかにほとんど真っすぐになって坐り、棺の蓋は彼がはげしくもがいたためにいくらか持ち上げられてい....
艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
のはずみに枝が揺れ、葉が揺れ幹がかすかに揺れている。 小さな蜜蜂が、矢のように真っすぐに来て、蕊の高い花びらのなかに隠れたかと思うと、すぐにまた飛び出して往っ....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
耳を澄ました。家の中はすべてひっそりとしていた。で彼はほのかに見えている窓の方へ真っすぐに小刻みに歩いていった。夜は真っ暗ではなかった。ちょうど満月で、ただ風に....
明治美人伝」より 著者:長谷川時雨
に寿《じゅ》をかさず、企図は総て空しいものとされてしまった。彼女はその後、浮世を真っすぐに送る気をなくしてしまって、斗酒《としゅ》をあおって席亭で小唄をうたいな....
モルガンお雪」より 著者:長谷川時雨
うる》さかったが、アメリカ社交界とはだいぶ違っていた。 シャンゼリゼの大通りを真っすぐに、パリの、あの有名な凱旋門《がいせんもん》の広場は、八方に放射線の街路....
丹下左膳」より 著者:林不忘
今は日光小学校があります。あれに沿って左に曲がり、四本竜寺の前を過ぎて、その道を真っすぐにとってゆけば、さらに右手に、稲荷川のつり橋。 あれから左に折れると、....