真っ裸[語句情報] »
真っ裸
「真っ裸〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
真っ裸の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「大衆文芸作法」より 著者:直木三十五
な音が聞え、鎔鉱炉からは赤く火影が差し、煤が渦を巻いて立昇って居た。その隣りでは
真っ裸になったパン焼きの奴隷が、頭から足の先まで白い粉を被って、火気の為めに瞼を....
「日本脱出記」より 著者:大杉栄
戦争している看板があげてあって、その下に、からだじゅう真黒に塗った男や女や子供が
真っ裸と言ってもいいような恰好をして、キイキイキャアキャア呼びながら槍だの刀だの....
「かんかん虫」より 著者:有島武郎
さ。だがそれも金があって飯が食えて、べらっとしたものでもひっかけられた上の話だ。
真っ裸にして日干し上げて見ろ、女が一等先きに目を着けるのは、気前でもなけりゃ、男....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
つけることだ。』 『そうです。その通りです。だから人間は、ことに女は今、男の前に
真っ裸になる必要があるのです。衣服は、在来のすべての社会的罪悪の母でした。裸かで....
「生活と一枚の宗教」より 著者:倉田百三
て、どういうように自分の身がなるにしても、どういうことがこの世に起こりましても、
真っ裸になって逆立ちをしても、そういうことは新聞に出るでしょう。そのときは妙な、....
「運命のSOS」より 著者:牧逸馬
開かれる。しかも、この場になって自分を助けるものは金でも社会的名声でもなく、この
真っ裸かになった自分一個の気力と腕力だけだと知ったときの、紳士達の愕ろきはさぞ大....
「採峰徘菌愚」より 著者:佐藤垢石
れに包み、大根畑の方へ走り出した。続いて斜酣が上着、シャツ、ズボン、股引を抱えて
真っ裸で、畔道を駈けはじめたのである。 びっくりしたのは、近くの畑に仕事をして....
「鴻ノ巣女房」より 著者:矢田津世子
家へ子守りにやられた。 校長先生には「赤髭コ」という諢名がついていた。寒中でも
真っ裸になって井戸端で水をかぶる人だった。赤ん坊をおぶったぎんが学校へ遊びに行く....
「私の洋画経歴」より 著者:小野佐世男
テア」というシリーズものの美しい女賊物語り映画を見てから、プロテアに扮する女優が
真っ裸にゴムのような真っ黒な肉じゅばんの黒装束で、あわやという時にはスルスルとド....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
の中に、幾つも小世界を拵えるのが、
昔からの習わしですからね。
そこに若い魔女が
真っ裸になっていて、
年を取ったのが巧者に体を包んでいるでしょう。
まあ、附合だ....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
そうしていると、 「お通さん、お通さん」 誰かよんでいる。 庫裡の外だった。
真っ裸な男が、井戸のほうから歩いてくる、まるで煤しにかけた羅漢である。三年か四年....
「三国志」より 著者:吉川英治
走兵の訴人を裸体にしてみい」 劉岱は傍らの者に命じた。 言下に、訴人の兵は、
真っ裸にされた。――見れば、顔や手足ばかりでなく、背にも臂にも、縄目のあとが痣に....
「ロザリオの鎖」より 著者:永井隆
どく生意気な口答えをしたのであったらしい。母はいきなり私をとらえ、着物をぬがせて
真っ裸にした。ばたばた手足を振りまわすのを軽々とかかえ上げ、座敷の端へ持っていっ....
「魚紋」より 著者:吉川英治
を解き初めた。 脚絆わらじは元より、着物をすべて脱ぎ捨てる。そして、腹巻一つの
真っ裸になると、魚のように、身を翻えして、川の中へ躍り込んだ。 大きな波紋の下....