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真に迫る
「真に迫る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
真に迫るの前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「いのちの初夜」より 著者:北条民雄
ねんものかいなあー」 すっかり嗄れた声でこの世の人とは思われず、それだけにまた
真に迫る力がこもっていた。男は二十分ほども静かに坐っていたが、また以前のように横....
「柿の種」より 著者:寺田寅彦
ある。 木戸口の横に、電気人形に扮した役者が立っていて、人形の身振りをするのが
真に迫るので、観客の喝采を博していた。 くるりと回れ右をして、シルクハットを脱....
「先生への通信」より 著者:寺田寅彦
ノーのファウストを聞きました。メフィストの低音が気に入りました。道具立ての立派で
真に迫ること、光線の使用の巧みなことはどこでも感心します。音楽の始まる前の合図に....
「中条精一郎の「家信抄」まえがきおよび註」より 著者:宮本百合子
の不如意なる父が目を瞠って少女の曲乗に感歎している様はまことに面白い。活動写真が
真に迫る云々。幻燈のことであろうか。 書簡(二三) 註。面に黒ラシャ....
「初冬の日記から」より 著者:寺田寅彦
ことなしに名人になりたい人はこれらの端役の名優となるべきであろう。 証人社長も
真に迫るがこの人のはやはり役者の芸としての写実の巧みである。証人の上がる壇に蹴躓....
「現代忍術伝」より 著者:坂口安吾
「あなたのような方、ウチのお客様にはじめてですわ」 フンゼン突撃はよかったが、
真に迫るを通りこして、ビジネスだか本音だか国境不明で、突撃戦はたちまち混乱状態。....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
味が含まれていなかったようですが、それに対してお直はなんとなく薄気味わるくて妙に
真に迫るような返事をしているじゃありませんか。それ。この返事がそれですが、読んで....
「二十歳のエチュード」より 著者:原口統三
自意識の働きであることを隠しうるまでに至るということを、実験してみたかったのさ。
真に迫るのじゃなくて、真そのものと全く同じに見えるのだ」 「そんなことは示してく....
「随筆 新平家」より 著者:吉川英治
、平家の兵ども、あはや源氏の大勢の向ひたるは――”と名手の声曲で聞かせられると、
真に迫ること一倍である。おかしくもなく、語り継がれて来た所以であろう。 だが、....
「野草雑記・野鳥雑記」より 著者:柳田国男
手を役してその面影を再現させようとしたのが、言わば我々の技芸の始であった。写生の
真に迫るということは、恐らくは単に心の鏡の澄みきっていたことを意味する以上に、更....