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真の人
「真の人〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
真の人の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
柳の木の下にひとりの女が倒れていた。それは人形でもなく、拵え物でもなく、確かに正
真の人間であるので、木戸番もびっくりした。 こういう興行物に変死人などを出して....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
ちいちそういうむずかしい註文を持出すから面倒になるので、わたしから云えばそれらは
真の人形好きではありません。勿論、わたしのように瓦楽多をむやみに陳列するには及び....
「ルバイヤート」より 著者:小川亮作
青春の唯一の効果だ。 花と酒、君も浮かれる春の季節に、 たのしめ一瞬を、それこそ
真の人生だ! 134 酒をのめ、マ※ムード*の栄華はこれ。 琴をきけ、ダヴィ....
「風流仏」より 著者:幸田露伴
都ての物薄墨色になって、暮残りたるお辰白き肌|浮出る如く、活々とした姿、朧月夜に
真の人を見る様に、呼ばゞ答もなすべきありさま、我作りたる者なれど飽まで溺れ切たる....
「続堕落論」より 著者:坂口安吾
の、人性の正しい開花はのぞむことができないのだ。人間の正しい光は永遠にとざされ、
真の人間的幸福も、人間的苦悩も、すべて人間の真実なる姿は日本を訪れる時がないだろ....
「狂人日記」より 著者:井上紅梅
方が違って来て、中には人を食わぬ者もあり、その人達は質のいい方で人間に成り変り、
真の人間に成り変った。またある者は虫ケラ同様にいつまでも人を食っていた。またある....
「学生と教養」より 著者:倉田百三
調和せしめんとする傾向を帯び来たったことに注意すべきである。 すなわち人格とは
真の人間である。かかる人間はアトム的な個人の人格と人格とが、後から相互の黙契によ....
「塩原多助一代記」より 著者:三遊亭円朝
に消え、畳の上で死なれるようになるがどうだ、此処で一つ二十両の金え貰い、改心して
真の人間にならねえか、汝エ母親は又旅のおかくと云って、五十の坂を越して居ながら、....
「S夫人への手紙」より 著者:岸田国士
す。「好戦的」であるとか、「軍国主義的」であるとかいう批難は、決して、かくの如き
真の人間の「生きかた」に対して加えらるべきものではありません。 家庭においても....
「役人の頭」より 著者:末弘厳太郎
いう普遍の公案を考えねばならない。かくしてこそ、彼らもまた国民とともに悲しみうる
真の人間らしい役人となりうるのであって、それのみが今日の国家をして永く安泰ならし....
「天衣無縫」より 著者:織田作之助
を考えてくれたら、鼻の上に汗をためて――そんな陰口は利けなかった筈だ。 その写
真の人は眼鏡を掛けていたのだ。と言ってもひとにはわかるまい。けれど、とにかく私に....
「二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
ら今の女の教育が何の役にも立たない事、今の女の学問が紅白粉のお化粧同様である事、
真の人間を作るには学問教育よりは人生の実際の塩辛い経験が大切である事、茶屋女とか....
「青春の息の痕」より 著者:倉田百三
から生まれる芸術が、芸術家という一つのプロフェッショナルな地位からの産出でなく、
真の人間(そこらにいる農夫や商人などのような)としての芸術ですね。 私はどうし....
「「ケット」と「マット」」より 著者:喜田貞吉
であり、特に毛が多いが為にケビトと呼ばれる様になっては、これに対して日本民族こそ
真の人であるという意味を以て、先住民たる毛人に接触する日本民族が、マヒトと呼ばれ....
「融和促進」より 著者:喜田貞吉
とも多く希望する差別の撤廃の上に、思ったほどの功績があらわれませんでした。漸次に
真の人間に目醒めた人々は、いわゆる「改善」の声に聞きあきました。ことにその熱心に....