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真下
「真下〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
真下の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「影」より 著者:芥川竜之介
《やすやす》塀を乗り越えると、庭の松の間をくぐりくぐり、首尾《しゅび》よく二階の
真下にある、客間の窓際へ忍び寄った。そこには花も葉も露に濡れた、水々しい夾竹桃《....
「点鬼簿」より 著者:芥川竜之介
ヤメ香水」と云う香水の匂《におい》のしていたことも覚えている。
僕の母は二階の
真下の八畳の座敷に横たわっていた。僕は四つ違いの僕の姉と僕の母の枕《まくら》もと....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
の四万中尉は、兵員の間に交って、いつもは東京全市に正午の時刻を報せる大サイレンの
真下に立っていた。 「中尉殿、報告」 傍らの松の木の蔭に、天幕を張り、地面に座....
「春昼」より 著者:泉鏡花
我が散策子は、其処を志して来たのである。爾時、これから参ろうとする、前途の石段の
真下の処へ、殆ど路の幅一杯に、両側から押被さった雑樹の中から、真向にぬっと、大な....
「三十年後の世界」より 著者:海野十三
に貴重《きちょう》なことがらだった。 それにより、さっそく全員を動員して、すぐ
真下を掘りはじめた。 あった。出て来た。おびただしい貴重燃料のルナビゥム! ....
「鬼仏洞事件」より 著者:海野十三
に騒々しい躁音が、耳を打った。躁音は、だんだん大きくなった。それは、まるで滝壺の
真下へ出たような気がしたくらいだった。 彼女は、おどろいて、音のする方を、振り....
「火星兵団」より 著者:海野十三
。それでは、こっちは地下をもぐっていく戦車隊をくりだそう。そうしてペペ山を、その
真下から根こそぎ爆発させてしまおう。それなら、相手のもっている溶解砲弾はペペ山と....
「火葬国風景」より 著者:海野十三
ら特設の冷水装置をつきだして棺桶の焼けるのを防ぐ仕掛けを作った。その次にあの罐の
真下に当る地下室から棺桶を下げおろす仕掛けを作った。そして予め用意して置いた人骨....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
んでございますよ。」 「何里あります。」 「八里ございます。」 「ははあ。」 「
真下の谷底に、ちらちらと灯が見えましょう、あそこが、八幡の町でございましてね、お....
「縷紅新草」より 著者:泉鏡花
りとして立った。 ――ああ、呆れた―― 目の前に、白いものと思ったっけ、山門を
真下りに、藍がかった浴衣に、昼夜帯の婦人が、 ――身投げに逢いに来ましたね―― ....
「照葉狂言」より 著者:泉鏡花
のあとを、その隣、西の方、二軒ばかり空地となりしに建てられつ。小さき池は、舞台の
真下になりたれば、あたかも可しとて、興行はじむる時、大瓶一個、俯向けて埋めたり。....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
光大将にて、笠野富田を打廻り、竹の橋の搦手にこそ向いけれ==とある、ちょうど峠の
真下の里で。倶利伽羅を仰ぐと早や、名だたる古戦場の面影が眉に迫って、驚破、松風も....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
ら前面を見渡した時に、私はあまりの絶景に覚えずはっと気息づまりました。砂丘のすぐ
真下が、えも言われぬ美しい一ツの入江になっているのではありませぬか! 刷毛で刷....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
、盥のごとき鉄鉢を片手に、片手を雲に印象した、銅像の大きな顔の、でっぷりした頤の
真下に、屹と瞳を昂げて言った。 「……これは、美術閣の柴山運八と、その子の運五郎....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
に北天の中央にある。) また、五絶二首を得たり。 太陽直下洋、水与。 (太陽の
真下の海は、水と風とふたつながら熱い。扇風器が涼しさを送ってきたので、人々はこぞ....