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真中
「真中〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
真中の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
《なにげ》なく後《うしろ》からそっと覗《のぞ》きこんで見ますと、思いもよらずその
真中《まんなか》には、乞食《こつじき》のような姿をした沙門が、何か頻《しきり》に....
「路上」より 著者:芥川竜之介
み鳴しながら、階下《した》へ行った。行って見ると、玄関の格子《こうし》の中には、
真中《まんなか》から髪を割って、柄の長い紫のパラソルを持った初子《はつこ》が、い....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
土間に麦藁を敷きならしたその上に、所々|蓆《むしろ》が拡《ひろ》げてあった。その
真中に切られた囲炉裡にはそれでも真黒に煤《すす》けた鉄瓶《てつびん》がかかってい....
「一房の葡萄」より 著者:有島武郎
《まっしろ》い左の手の上に粉のふいた紫色の房を乗せて、細長い銀色の鋏《はさみ》で
真中《まんなか》からぷつりと二つに切って、ジムと僕とに下さいました。真白い手《て....
「星座」より 著者:有島武郎
いっている。
母が立ったついでにラムプを提げてはいってきた。そしてそれを部屋の
真中にぶらさがっている不器用な針金の自在鍵《じざいかぎ》にかけながら、
「降られ....
「碁石を呑んだ八っちゃん」より 著者:有島武郎
りはずっと沢山こっちに碁石があるんだから、僕は威張っていいと思った。そして部屋の
真中に陣どって、その石を黒と白とに分けて畳の上に綺麗にならべ始めた。 八っちゃ....
「橋」より 著者:池谷信三郎
本のように、淑やかに立っていた。 二階の正面に三人は並んで腰をかけた。シイカを
真中に。……彼はまた頭の中の積木細工を一生懸命で積み始めた。 幕が開いた。チァ....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
らいたいな。 どうじゃ、ずッと漕げるか。そら、あの、そら巌のもっとさきへ、海の
真中まで漕いで行けるか、どうじゃろうな。」 寄居虫で釣る小鰒ほどには、こんな伯....
「亡び行く江戸趣味」より 著者:淡島寒月
。 ◇ 昔から花火屋のある処は暗いものの例となっている位で、店の
真中に一本の燈心を灯し、これを繞って飾られている火薬に、朱書された花火という字が....
「凧の話」より 著者:淡島寒月
、その凧から糸を垂れて水中の魚を釣るという面白い用途もある。朝鮮の凧は五本骨で、
真中に大きな丸い穴が空いていて、上に日、下に月が描いてある。
真中に大きな穴が空い....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
大向うの桟敷の後方にまでも立つ。その中にファラデーは、は入って来て、馬蹄形の机の
真中に立ち、聴衆がまたと忘れられないような面白い話を始める。 クリスマス前に、....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
鉢もそなわり、今わたしが数えあげたように、一切がっさい混沌としており、しかもその
真中からは大きな茶わかしが濛々たる湯気をまきあげている。いやはや、なんとも豪勢な....
「活人形」より 著者:泉鏡花
を得三がもぎ離して捻じ上ぐれば、お録は落散る腰帯を手繰ってお藤を縛り附け、座敷の
真中にずるずると、髷を掴んで引出し、押しつけぬ。形怪しき火取虫いと大きやかなるが....
「罪人」より 著者:アルチバシェッフミハイル・ペトローヴィチ
が来そうになったので、フレンチは一しょう懸命にそれを抑制しようとした。 広間の
真中にやはり椅子のようなものが一つ置いてある。もしこの椅子のようなものの四方に、....
「大利根の大物釣」より 著者:石井研堂
岡持など提げ、日暮里停車場より出て立つ。時は、八月の二十八日午后二時という、炎暑
真中の時刻なりし。 前回の出遊には、天気思わしからず、餌は、これを除きてまた他....