真人間[語句情報] » 真人間

「真人間〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

真人間の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
常迅速。」 「生き顔より、死に顔のほうがよいようじゃな。」 「どうやら、前よりも真人間らしい顔になった。」 猪熊の爺の死骸は、斑々《はんぱん》たる血痕《けっこ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
娘とが入れ換わったろう」 「そこが詮議物ですよ。駕籠屋の云うには、どうもその娘は真人間じゃあねえ、ひょっとすると猫が化けたんじゃねえかと……。成程このごろは物騒....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
う。」 と丁寧に笑って言って、 「迷惑や気の毒を勘酌して巾着切が出来るものか。真人間でない者に、お前、道理を説いたって、義理を言って聞かしたって、巡査ほどにも....
「続獄中記」より 著者:大杉栄
ての僕の哲学を造りあげた。 実際僕は、最後に千葉監獄を出た時、初めて自分がやや真人間らしくなったことを感じた。世間のどこに出ても、唯一者としての僕を、遠慮なく....
「奇賊は支払う」より 著者:海野十三
仕事に対する報酬を払わなければならない。もしそれを怠るような者があれば、その者は真人間ではない」といいだしたことである。 そして彼はこの語に続いて小さな声で、....
「心臓盗難」より 著者:海野十三
事に対する報酬を支払わなければならない。もしそれを怠るような者があれば、その者は真人間ではない。たとえ電車の中の掏摸といえども、乗客から蟇口を掏り盗ったときは、....
「鷭狩」より 著者:泉鏡花
しかるに鷭は恩人です。――姐さん、これはお酌を強請ったような料簡ではありません。真人間が、真面目に、師の前、両親の前、神仏の前で頼むのとおなじ心で云うんです。―....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
しかし笑って遣わされ。まず山中毒とでも申すか、五里霧中とやらに※徊いました手前、真人間から見ますると狂人の沙汰ですが、思いの外時刻が早く、汽車で時の間に立帰りま....
「春昼後刻」より 著者:泉鏡花
思えば夢だが、このまま、覚めなければ夢ではなかろう。何時か聞いた事がある、狂人と真人間は、唯時間の長短だけのもので、風が立つと時々波が荒れるように、誰でもちょい....
「奉行と人相学」より 著者:菊池寛
前は相手と話して見たくなったし、出来ることなら教化して、その当時の言葉で云えば、真人間にしてやりたいと思った。 「長吉とやら、何歳になるか」 と、越前が話しか....
「世界の裏」より 著者:国枝史郎
だ、曠古の名将にして、しかも、大政治家、加うるに、尽忠報国、至誠そのものの如き、真人間のハンニバルが出て、国力を恢復しようとした。しかし、ハンニバルは、貴族、富....
「三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
南の人格を深く感嘆した。 それにしてもＹを心から悔悛めさせて、切めては世間並の真人間にしなければ沼南の高誼に対して済まぬから、年長者の義務としても門生でも何で....
「飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
」と、忠一は笑って、「※の如き者は一挙して全滅して了うか、左もなくば之を教化して真人間にするか、二つに一つの方法を択ぶより他はないよ。唯漫然と打捨って置くから、....
「おけらになった話」より 著者:小川未明
、ついに牢屋へいれられてしまった。こんどは、すこしは、目がさめるだろう。そして、真人間になって、出てきてくれればいいが……。」と、みんなはうわさをしていました。....
「魂の喘ぎ」より 著者:大倉燁子
と仰しゃるかも知れないが、それは私へのお世辞、あるいは同情の言葉です。公高はもう真人間に立ちかえるとはいくら母の慾目でも思われません。あまりにも巧妙過ぎる、先天....