真南[語句情報] » 真南

「真南〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

真南の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
空襲葬送曲」より 著者:海野十三
南西の進路を固執し、一挙|鹿島灘から東京湾を突こうというのに対し、我が日本艦隊は真南から襲い懸って、一艦一機を剰さず、太平洋の底に送り込もうというのであった。 ....
地球要塞」より 著者:海野十三
にある、有名な仏領タヒチ島に近いところであった。布哇《ハワイ》島からいえば、丁度真南に当り、緯度で四十度ばかり南方にあたる。 私たちは、その三角暗礁へ急行した....
火薬船」より 著者:海野十三
怪貨物船あらわる! 北緯二十度、東経百十五度。 ――というと、そこはちょうど香港を真南に三百五十キロばかりくだった海面であるが、警備中のわが駆逐艦松風は、一せきの....
地底戦車の怪人」より 著者:海野十三
、前の方の、操縦席についた。 「部署につきました」 「よし。では、出動! 針路、真南! 傾斜をなおしつつ、前進」 地中前進 ピート一等兵が、エンジンをか....
豆潜水艇の行方」より 著者:海野十三
、こんどはさらに速度をあげて、沖合へすすんでいきました。 「トニーの旦那、針路は真南でいいのですかね」 「まあ、しばらく真南へやってくれ。そのうちに、無電がはい....
浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
飛行島を放れて香港へ行くはずの汽船ブルー・チャイナ号が、奇怪にも今それと反対に、真南に航行していることである。 リット少将が、にやにや笑っている。 それとは....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
雪白の花が、一羽、翡翠を銜えた。いや、お京の口元に含んだ浅黄の団扇が一枚。大潮を真南に上げ颯と吹く風とともに、その団扇がハッと落ちて、宙に涼しい昼の月影のように....
小鳥」より 著者:宮本百合子
いると、隣の部屋から、チクチク、チチと小鳥の囀りが聞えて来る。二三日雪空が続き、真南をねじれて建った家には、余り充分日光が射さなかった。寒さや陰気さで縮んでいた....
死者の書」より 著者:折口信夫
が抑えきれなかった。 香具山の南の裾に輝く瓦舎は、大官大寺に違いない。其から更に真南の、山と山との間に、薄く霞んでいるのが、飛鳥の村なのであろう。父の父も、母の....
獄中消息」より 著者:大杉栄
が、ここは市ヶ谷や巣鴨から見るとよほど暖かいようだ。それに、僕等の監房はちょうど真南向きに窓がついているので、日さえ照れば正午前二、三時間余りの間は、背を円くし....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
うまでもない。手持ち不沙汰な徹夜のツキアイなどのできないシノブ夫人は冬の陽差しが真南にまわる頃でないと目がさめないから、その場にはいなかった。しかし彼女の分身の....
鵞湖仙人」より 著者:国枝史郎
福徳遠方より来たるの相だ。即ち東南には運気を起し、西北には黄金の礎を据える。……真南に流水真西に砂道。……高名栄誉に達するの姿だ。……坤巽に竹林家を守り、乾艮に....
顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
が吹いた。大帆をかんぬきがけにして舵をしっかりと楫床へくくりつけ、追風に吹かせて真南《まみなみ》へつっぱなせば、船はひとりでに相模灘へ出て行く、まかり間違って伊....
二つの松川」より 著者:細井吉造
《ぬけ》のある証拠なのだ。大ナメ八丁という場所は、烏帽子《えぼし》岳の頂稜から、真南に落下しているユワタル沢の合流点から始まる。わずかの間にすぎないが、花崗岩の....
私本太平記」より 著者:吉川英治
沿う道ばたの小社で、世良田ノ館からほぼ二里、方角は、北にあたる。 だが、鎌倉は真南だ。 一路、南進すべきはずの新田軍が、そのかど出になぜ北方へ逆行したのか。....