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「真因〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

真因の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
白蟻」より 著者:小栗虫太郎
すという理論を扱いました。けれども私は、それとは全然異った経路で、あるいはそれが真因ではないかと考えるようになりました。と云うのはほかでもございません。貴方が洞....
聖アレキセイ寺院の惨劇」より 著者:小栗虫太郎
にしなければ、自殺だなんて荒唐無稽な説が成立する気遣いはないのだがね。しかもその真因が解ると、君の説が出発している創道の方向から、ラザレフの意志が消えてしまうの....
パンドラの匣」より 著者:太宰治
の研究もせずに、ただやたらに西洋文明の表面だけを勉強したところに、日本の大敗北の真因があったと思う。自由思想でも何でも、キリストの精神を知らなくては、半分も理解....
十五年間」より 著者:太宰治
の研究もせずに、ただやたらに西洋文明の表面だけを勉強したところに、日本の大敗北の真因があったと思う。自由思想でも何でも、キリストの精神を知らなくては、半分も理解....
女肉を料理する男」より 著者:牧逸馬
」の全犯行を貫く共通な大特徴で、また一世を怖慄《ふりつ》せしめたセンセイションの真因《しんいん》でもあった。彼は、街路の売春婦であるかぎり、犠牲者を選びはしなか....
災難雑考」より 著者:寺田寅彦
ずはないが、しかし一般世間ではどうかすると誤った責任観念からいろいろの災難事故の真因が抹殺され、そのおかげで表面上の責任者は出ない代わりに、同じ原因による事故の....
破片」より 著者:寺田寅彦
なることもある。 癌の発生する原因がまだよくわからないように国家の癌の発生する真因がまだよく突きとめられていない。それがわからなくては根本的な治療や予防はでき....
詩の原理」より 著者:萩原朔太郎
事詩や劇詩の類は、何故に近代の初頭に於て、一時に消滅したのであろうか。けだしその真因は、近代に於ける資本主義文明の発達にある。実に十八世紀以来に於て、急激な進歩....
猫の穴掘り」より 著者:寺田寅彦
は唯物論的思想の流行による国民精神の廃頽のせいだと思い込む。しかしこれらの動揺の真因は必ずしもそう手近な簡単なものではないかもしれないと思われる。 いろいろ考....
阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
。 阿Qは不平の真最中に時々零落を感じた。銀メダルの話を聴くと彼はすぐに零落の真因を悟った。革命党になるのには、投降すればいいと思っていたが、それが出来ない。....
神サマを生んだ人々」より 著者:坂口安吾
れが先生の気がかりの第一であった。 大巻先生は開業医という商売柄、医者の流行の真因は何かということについては、ひそかに痛感することがあったのである。むろん医学....
人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
題と密接な関係を有つ次の問題は、両性の交りの問題である。社会を悩ましている困難の真因に注意を払っている人は、次の如く主張するであろう。すなわち、何人も自分の子供....
八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
余り喜ばれなかったのを以てもその人となりを知るべきである。 京伝と仲たがいした真因は判然しないが、京山の『蜘蛛の糸巻』、馬琴の『伊波伝毛之記』および『作者部類....
青春の息の痕」より 著者:倉田百三
なり、父母のためには私は孝行な子ではないのです。――私を恕して下さい。そしてその真因は私のほしきものを私が捨てないからです。それらの具体的な消息は手紙には書くに....
棚田裁判長の怪死」より 著者:橘外男
村片貝二四五番地成瀬半次郎さん(六十五)は、語っている。 要するに、両氏の死の真因は、原因と目さるべきもの何にもなく、前記船頭の言葉から推して、十八日の夜船頭....