真実味[語句情報] »
真実味
「真実味〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
真実味の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「街頭から見た新東京の裏面」より 著者:杉山萠円
そあれ、責任感はすこしも受けない。天下の事に憤慨するよりも、一鉢の朝顔に水を遣る
真実味を愛するといった風で、驢背《ろはい》の安きに如《し》かずという亡国の賢人に....
「映画雑感(Ⅰ)」より 著者:寺田寅彦
?)を一杯持ってくる。それを一口飲んだ時の頬の筋肉の動きにちょっと説明のできない
真実味があると思った。 病犬を射殺するやや感傷的な場面がある。行きには人と犬と....
「映画雑感(Ⅲ)」より 著者:寺田寅彦
また、けられても平気ですましている母の態度や、実に涙が出るほどかわいくおもしろい
真実味があふれている。 悍馬を慣らす顛末は、もちろん編集の細工が多分にはいって....
「映画雑感(Ⅵ)」より 著者:寺田寅彦
の夏のフィヨルドの景色の荒涼な美しさだけでも、普通の動かない写真では到底見られぬ
真実味をもって観客に迫ってくるようである。それからまた、この映画の中に描写された....
「大正女流俳句の近代的特色」より 著者:杉田久女
乗物すゆる橋の上 星布女 の風雅な昔めかしい風俗に反し、近代女流の句はもっと
真実味のこもった生活相を色濃く写生している。 (3) 近代女性である彼女らは....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
れは、彼がこれまでに、まるで考えたことのない問題ではなかった。しかし、この時ほど
真実味をもって彼の胸をうったこともなかったのである。これまでに彼が考えて来た人間....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
塾長の青年教育に対する努力を、ありふれた形容詞をまじえて賞讃した。それは決して、
真実味のこもったものではなく、いちおうの礼儀にすぎないものであることは明らかであ....
「愛読した本と作家から」より 著者:黒島伝治
ル」だ。「セバストポール」に書かれた戦争は、「戦争と平和」にかゝれた戦争よりも、
真実味の程度に於て、純粋で、はるかにしのいでいる。トルストイのような古今無双の天....
「鍬と鎌の五月」より 著者:黒島伝治
三人は、藤井先生の家へ行くことが出来なくなった。宗保は、薪を積みに行くという
真実味をよそうため、途中で猫車をかりて、引っぱって山へ行く坂の道を登りだした。 ....
「明治の戦争文学」より 著者:黒島伝治
の海戦の描写もある。しかし、出てくる軍人も戦争の状景も、通俗小説のそれで、ひどく
真実味に乏しい。それに、この一篇の主題は戦争ではなく浪子の悲劇にある。だから、こ....
「「生活」+「戦争」+「競技」÷0=能」より 著者:癋見鈍太郎
ある限り……その心境がその仕事に対して純一無雑である限り……そこに能楽の型と同じ
真実味の横溢した「人間美」が後光を放っているではないか。 それが日常生活に於け....
「苦楽」より 著者:上村松園
いずれにしても、作家でないと分らない心持ちだと思います。作家であって、初めてこの
真実味が分るのだと考えます。 二 画を作ることは、実際苦しいことです....
「最近の感想」より 著者:種田山頭火
離れて句作の意義はない。 直接的表現を云々する態度は間接的態度である。現実味と
真実味とを区分したり、人生味と自然味と優劣を争うたりする境地を脱していない。考う....
「審判」より 著者:カフカフランツ
も話すように、Kと話をするのだった。もしこのような支店長のしてくれる心配がKには
真実味のこもったものと思われなかったならば、あるいは少なくとも、このような瞬間に....
「空中征服」より 著者:賀川豊彦
先生らしくしなければいかんと思いますね。あれでは、私のような芸者のほうがはるかに
真実味があるように自分手に思います」 妾の前には頭も上らず、市長排斥の相談会は....