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真帆
「真帆〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
真帆の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
都に近き山の形」を、「欝金畠《うこんばたけ》の秋の風」を、「沖の時雨《しぐれ》の
真帆片帆」を、「闇《やみ》のかた行く五位の声」を、――本所の町々の教えなかった自....
「源おじ」より 著者:国木田独歩
》余り経ちぬ。夕日影あざやかに照り四国地遠く波の上に浮かびて見ゆ。鶴見崎のあたり
真帆片帆《まほかたほ》白し。川口の洲《す》には千鳥飛べり。源叔父は五人の客乗せて....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
りからの夕なぎに、品川あたり一帯の海面は、まこと文字どおり一望千里、ところどころ
真帆片帆を絵のように浮かべて、きららかな金波銀波をいろどりながら、いとなごやかに....
「ゼーロン」より 著者:牧野信一
》そ三千尺、そして海岸迄の距離が凡そ十里にあまり、山中の一角からは、現在帆立貝や
真帆貝の化石が産出するというので一部の地質学者や考古学徒から多少の興味を持って観....
「間諜座事件」より 著者:海野十三
鈴子 歌島 定子 柳 ちどり 小林 翠子 香川 桃代 三条 健子 海原
真帆子 紅 黄世子 ●シャンソン(朝顔の歌) 咲田さき子 ....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
ぐれな風来坊も稀でした。身延から江尻の港へふらふらと降りて見たところ、三十五反の
真帆張りあげた奥地通いの千石船が、ギイギイと帆綱を渚の風に鳴らしていたので、つい....
「津軽の虫の巣」より 著者:宮本百合子
る。 微かながら、それ等の船は、真上の空に舞う水鳥の、翼の白さにも擬《まが》う
真帆を一杯に張って、静まり返った水面を、我物顔に滑べって来るのが認められる。 ....
「松の操美人の生埋」より 著者:三遊亭円朝
繻珍の帯をしめて、丸髷の後れ髪を撫あげ、白金を出まして、高輪の湊屋と云う船宿から
真帆を上げて参りますと、船は走りますから横須賀へ着きましたのは丁度只今の二時少々....
「源氏物語」より 著者:紫式部
であろうかと、こんなうめきに似た独言も口から出た。 しなてるやにほの湖に漕ぐ船の
真帆ならねども相見しものを とあの夜のことでちょっと悪く言ってみたい気もした。....
「おとずれ」より 著者:国木田独歩
、あらず、時は必ず来たるべし―― 大空|隈なく晴れ都の空は煤煙たなびき、沖には
真帆片帆白く、房総の陸地鮮やかに見ゆ、射す日影、そよぐ潮風、げに春ゆきて夏来たり....
「おせん」より 著者:邦枝完二
り、遠く筑波山の麓まで続くかと思われるまでに澄渡って、綾瀬から千|住を指して遡る
真帆方帆が、黙々と千鳥のように川幅を縫っていた。 その絵巻を展げた川筋の景色を....
「釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
満々と盃を受けながら、葬式彦兵衛が口詠《くちずさ》んだ。 「梅雨に咲く花や彼岸の
真帆片帆。」....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
の意気の壮なるを知って、窓の入口に河岸へ着いた帆柱の影を見ながら、この蒼空の雲を
真帆、片帆、電燈の月も明石ヶ浦、どんなもんだ唐人、と太平楽で煩っていたのも、密に....