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「真性〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

真性の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
風の便り」より 著者:太宰治
ひどく太って気の毒な或る女流作家の言葉なのです。けれども、此の一行の言葉には、迫真性があります。さて、私も、のがれて都を出ました。懐中には五十円。 私は、どう....
幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
、秀子に其の身相当の幸福な生涯を送らせることは出来ない、斯うするのが秀子に対する真性の愛情と云うものだ。 権田は別に嬉し相にもせぬ、宛も訴訟依頼人に対して手数....
善の研究」より 著者:西田幾多郎
になる。そこで道徳の法則は実在の法則の中に含まるるようになり、善とは自己の実在の真性より説明ができることとなる。いわゆる価値的判断の本である内面的要求と実在の統....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
「どうも、君の説は世紀児的だ。自然と平凡を嫌っている。粋人的な技巧には、けっして真性も良識もないのだ。現に、先刻も君は夢のような擬音でもって、あの倍音に空想を描....
思想と風俗」より 著者:戸坂潤
教がつぶれては奈良県の財政があぶなくなるということだが。 類似宗教は偽似宗教で真性宗教でないという感じから、それだけですでに評判を悪くするに充分であるが、だが....
処女作追懐談」より 著者:夏目漱石
ところが丁度その時分(高等学校)の同級生に、米山保三郎という友人が居た。それこそ真性変物で、常に宇宙がどうの、人生がどうのと、大きなことばかり言って居る。ある日....
日本イデオロギー論」より 著者:戸坂潤
このことはすぐ見るように他に意味があるのだ。 文献学主義の観念論はその大部分が真性日本ファシズム思想に帰着する。というのは政教一致の社稷宗教、日本民族の国家的....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
を知らせずに、当人にのみほしいままに歌わせ、ほしいままに躍《おど》らせて、その純真性をつとめて保護して置かなければならないと思い、誰にも言わないうちに、ただ一人....
不良少年とキリスト」より 著者:坂口安吾
と思う。 酒は殆ど中毒を起さない。先日、さる精神病医の話によると、特に日本には真性アル中というものは殆どない由である。 けれども、酒を麻薬に非ず、料理の一種....
学生と生活」より 著者:倉田百三
じられなくなる。そしてさらに不幸なことには、このことは人生一般の事象を見る目の純真性を曇らすのだ。快楽の独立性は必ず物的福利を、そして世間的権力を連想せしめずに....
雑文的雑文」より 著者:伊丹万作
術と文楽と潜航艇のほかには」というような上の句を添加して用いた場合には事は一層迫真性を帯びてくるし、かたわら、使用者の価値判断の標準がいかに高いかということを暗....
あるニュウ・フェイスへの手紙」より 著者:岸田国士
だったらという風に、彼のタイプに寸法を合せた表現になるところが、なんとも言えぬ迫真性の生れる原因です。 どんなことがあっても彼は決して、類型を追いません。すべ....
純真」より 著者:太宰治
ったのかも知れない。たとえば、何々学院の何々女史とでもいったような者が「子供の純真性は尊い」などと甚だあいまい模糊たる事を憂い顔で言って歎息して、それを女史のお....
現下文壇と探偵小説」より 著者:平林初之輔
これに反してルブランの「ルパン」物などになると、材料の真実性は希薄だし、描写の迫真性も乏しく、読んで私たちの魂の奥底にふれるようなところは滅多にないが、それでい....
法然行伝」より 著者:中里介山
合して専修念仏を停止《ちょうじ》すべしということを議決して、座主《ざす》の大僧正真性に訴え申した。 法然はこのことを聞いて、進んでは衆徒のいきどおりをなだめ、....