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真情
「真情〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
真情の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
護から独立して世評の誤謬《ごびゅう》を実行的に訂正し、あわせて自分に対する葉子の
真情を証明してほしいなどといってよこした。葉子は――倉地におぼれきっている葉子は....
「本州横断 癇癪徒歩旅行」より 著者:押川春浪
老爺どのとんだお憎《にくし》みを受けたものだ。蓋《けだ》し足の重くなった旅行家の
真情を暴露したものだ。 (一八)焼酎《しょうちゅう》の御馳走 一行は多....
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
思いません」
叔父は是まで聞き最早黙し兼ねたと見え、否寧ろ心の底より湧き起こる
真情の為、堅く結びし唇を内より突き破かれし者と思《おぼ》しく、噴火の如く声を発し....
「耽溺」より 著者:岩野泡鳴
ざけられたり、その親どもにかげで嫌われたりするよりか、全く一心をあげて、かの女の
真情を動かした方がよかろうとも思った。 僕の胸はいちじくの果よりもやわらかく、....
「恭三の父」より 著者:加能作次郎
洗って居るのに、恭三が兄だからとて素知らん顔して居ると思われるが心外だという父の
真情からそう言ったのかも知れぬ。父は恭三一人あるために今日までどれ程母に気兼をし....
「反戦文学論」より 著者:黒島伝治
は、七五調の古い新体詩の形に束縛されつゝもさすがに肉親に関係することであるだけ、
真情があふれている。 旅順の城はほろぶとも ほろびずとても何事か 君知るべきやあ....
「運命」より 著者:幸田露伴
や。瓜を投じて怒罵するの語、其中に機関ありと雖も、又|尽く偽詐のみならず、本より
真情の人に逼るに足るものあるなり。畢竟両者|各理あり、各|非理ありて、争鬩則ち起....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
年の私は君の濃き温かき友情に包まれることができる。H子さんが私を知っての上の熱き
真情もある。加うるに真生命に対する努力と希望とがある。O市における燻った生活、淋....
「雁坂越」より 著者:幸田露伴
持を出さないで、少しの間辛抱おしでなくちゃあ済まないわ。」 としみじみと云うその
真情に誘い込まれて、源三もホロリとはなりながらなお、 「だって、おいらあ男の児だ....
「おとずれ」より 著者:国木田独歩
限りなき自然の調べに触れて、誠なき人の歌に傷つきし心を安めばやと思い立ちぬ。げに
真情浅き少女の当座の曲にその魂を浮かべし若者ほど哀れなるはあらじ。 われしばし....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
適当のところで徐じょに到達して、いよいよ前途に光明を認めたという時、ここに初めて
真情を吐露しようと考えていたのである。 彼女も自分の位地を諒解しているらしく見....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
んど立つことが出来ない。すべてその状態は自分の父母の家を去ることを惜しむところの
真情が顕われ居るのです。これらはただ礼式に泣くのでなくして、真実に長く育った父母....
「五重塔」より 著者:幸田露伴
うござりまする、と愚かしくもまた真実にただ平伏して泣きいたり。 言葉はなくても
真情は見ゆる十兵衛が挙動に源太は悦び、春風|湖を渡って霞日に蒸すともいうべき温和....
「自分を鞭打つ感激より」より 著者:小川未明
ることゝ信じています。 その人達は、文壇に於ける芸術というよりか、直に、自己の
真情を社会に向って呼びかけるための芸術であります。 情実と利害関係の複雑な文化....
「ベートーヴェンの生涯」より 著者:ヴェーゲラーフランツ・ゲルハルト
入り交じった気持をもって君の最近の手紙を受け取り、そして読んだ。――君のかわらぬ
真情と僕への好意とを何にたとえたらいいだろう。おお、君が僕に対していつでもこんな....