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「真横〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

真横の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
道標」より 著者:宮本百合子
た。 メーデイの儀式と行進とはこうして、うすら寒い五月の赤い広場ではじまった。真横にあたる伸子たちの観覧席からは、骨を折っても赤い演壇の上の光景は見わけられな....
ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
い。その小さい、紅い唇をムズムズと動かしながら、ソッと眼を見開いて、ちょうどその真横に立っている私の顔を見ると、パチリパチリと大きく二三度|瞬をした。そうしてそ....
暗黒公使」より 著者:夢野久作
れているのであった。こんな風に電燈を真正面から垂直に照しかけても見えないものが、真横から水平に近く照しかけると見え出して来るという事実は、実につまらない偶然の事....
自画像」より 著者:寺田寅彦
代で現われるような気がした。 今度は横顔でもやってみようと思って鏡を二つ出して真横から輪郭を写してみたら実に意外な顔であった。第一鼻が思っていたよりもずっと高....
すり替え怪画」より 著者:海野十三
した。 すなわち、右端のニンフが原画では七三に向いているのが、彼女の手によって真横向きに描き改められた。真中のニンフの左手は、原画では垂れ下っているが、これを....
みさごの鮨」より 著者:泉鏡花
路へ遁げ出した女の背に、つかみかかる男の手が、伸びつつ届くを、躱そうとしたのが、真横にばったり。 伸しかかると、二ツ三ツ、ものをも言わずに、頬とも言わず、肩と....
半島一奇抄」より 著者:泉鏡花
た長い面が、およそ一尺ばかり、左右へ、いぶりを振って、ひゅっひゅっと水を捌いて、真横に私たちの方へ切って来る。鰌か、鯉か、鮒か、鯰か、と思うのが、二人とも立って....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
の縁の敷居際に膝をついたまま、こちらを視めたようだっけ……後姿に、そっと立った。真横の襖を越して、背戸正面に半ば開いたのが見える。角の障子の、その、隅へ隠れたら....
巴里のキャフェ」より 著者:岡本かの子
映る七人の自分に対して好き嫌いをつけている。後向き、好き。少し横向き、少し好き。真横、好かない。七分身、やはり少し。では真向きの全身――椅子を直すふりして女客は....
光は影を」より 著者:岸田国士
話せるわ、このひと」 洋装にいくらかのおちつきをみせた女主人は、いきなり、彼の真横へ割り込み、肩へ手をおいて、しげしげと彼の眼へ、意味ありげな視線を流しこんだ....
南国太平記」より 著者:直木三十五
「関所の時刻に間に合うか」 駕は、急坂の石敷道へかかっていた。駕屋は、駕を、真横担いにして、一足ずつ降りかけた。 「さあ、但州、何うだの」 「さあ、急いだら....
白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
屋鳴り震動の中に、幽に、トンと心細い音が、と見ると、お絹のその姿が階子段の上から真横になって、くるくるトトトン、褄がばッと乱れて、白い脛、いや、祇園での踊手だと....
三国志」より 著者:吉川英治
れば、威風すさまじき一個の丈夫だ。虎髯を逆立て、牡丹の如き口を開け、丈八の大矛を真横に抱えて、近づきざま打ってかかろうとして来る容子。――いかにも凜々たるもので....
ある完全犯罪人の手記」より 著者:酒井嘉七
いている。従って、陽の光はまず申分なく流れ込む。洗面所、手洗場は階段を上り切った真横の一間を区切り、古風な趣きをさえ呈するものである。 私はこの二階に異常な興....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
方向に今夜の泊りの本斗を目ざして、自分たちの高麗丸が、やや少し斜め先きに、船体を真横に見せて、さほど遠からぬ沖合を駛っている。 あ、光ってる、光ってる。あれは....