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「真物〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

真物の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ある眼利《めき》きのところへ持って行って鑑定して貰うと、なるほどよく出来ているが真物《ほんもの》じゃあない、これはたしかに贋物だと云われて、万助め、がっかりして....
」より 著者:海野十三
からは本当の蠅としか見えなかったのだ。だが誰が天井にへばりついている一匹の蠅を、真物か偽物かと疑うものがあろうか。 (誰が、なんの目的で、こんな偽蠅を天井に止ま....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
らしく取り出したのは、芭蕉の「枯枝に烏のとまりけり秋の暮」の短冊であった。それが真物でないことは其月にもひと目で判った。もう一つは其角の筆で「十五から酒飲みそめ....
三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
近さんの宝というのは、御奉公に出るときにお父さんから譲られた二字国俊――おそらく真物ではあるまいと思われますが――の短刀と、「春色梅ごよみ」十二冊の写本とで、こ....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
らこういう差紙を貰って来たのだぞといって、眼のさきへ突き付けたら、先生もおそらく真物だと思って驚くでしょう。それを付け込んで、今後は生徒を可愛がってやれと言い聞....
春昼」より 著者:泉鏡花
う一箇あった、それも甕で、奥の方へ縦に二ツ並んでいたと申します――さあ、この方が真物でござった。 開けかけた蓋を慌てて圧えて、きょろきょろと其処ら※したそうで....
縁結び」より 著者:泉鏡花
り、三度なり見た事のあるのが、余計に心に残っているんで。その女用文章の中の挿画が真物だか、真物が絵なんだか分らないくらいだった。 しかしどっちにしろ、顔容は判....
頭髪の故事」より 著者:井上紅梅
するかも知れないと思ってこれだけは止《や》めた。考えてみると似非物《にせもの》は真物《ほんもの》のザックバランに優ることはない。そこでいっそのこと、辮子を廃し、....
」より 著者:岡本綺堂
らいよいよ奥山の観世物小屋に晒されることになったが、これはインチキでなく、確かに真物だ。殊に鮫洲の沖で鯨が捕れたということは、もう江戸じゅうの評判になっていたの....
ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
を持っているのは、今述べた実験の環をあらわしたものだ。それから、この実験に用いた真物の環も、王立協会になお保存されてある。 それから八月三十日あるのではないか....
余齢初旅」より 著者:上村松園
は太湖石が沢山あって、ずいぶんと広い庭園であった。 太湖石は絵ではみていたが、真物は絵とはよほど変っていた。第一、太湖石は素晴しく大きなものである。それに真物....
甲州郡内妖怪事件取り調べ報告」より 著者:井上円了
事の出現以来、口笛をふきてこれが擬声をなすに、その巧みなる者に至りては、ほとんど真物と区別することあたわずという。果たしてしからば、かの女子もまた、熟練によりて....
鉄の処女」より 著者:大倉燁子
見せるものだから、見物人は大喜びだ。 「あの狒々の野郎うまくやってやがらあ」 「真物かな」 「さあ?」 「奴さん、なかなか味をやるじゃねえか」 「しかし――。巧....
耳香水」より 著者:大倉燁子
どこにも現れなくなり、彼から被害を受けるという事は全然なくなりました。捕ったのは真物の犯人だったのか、あるいは義賊と云われるほどの人ですから、自分の身代りに斬首....
黒猫十三」より 著者:大倉燁子
ん、宮岡警部に写真|酷似に変装してやがった。二人宮岡警部が出来ちゃって、どっちが真物だか分らなかった。そのために遂々捕え損ったんだそうだよ」と辰馬は笑った。 ....