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真珠貝
「真珠貝〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
真珠貝の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「夢十夜」より 著者:夏目漱石
。 しばらくして、女がまたこう云った。 「死んだら、埋《う》めて下さい。大きな
真珠貝で穴を掘って。そうして天から落ちて来る星の破片《かけ》を墓標《はかじるし》....
「映画と癩の問題」より 著者:伊丹万作
部分的な変化が多く、一貫した主色というものが感ぜられなかったが、だいたいの感じは
真珠貝の裏に似ており、紫や桜色にテラテラと輝いて見えた。そして全体が火傷のあとの....
「死の快走船」より 著者:大阪圭吉
しづつ実用化されるようになって来た事実を思い出したんです。これはマベ貝が、普通の
真珠貝、つまりアコヤガイに比較して、大型の真珠を提供するからですが、で、ふと軽い....
「東京ロマンティック恋愛記」より 著者:吉行エイスケ
。」と、僕が云った。 「――……いやです。」と、云う栗鼠の毛皮の外套をつけた女の
真珠貝のような耳垂が、センネットの場合の感覚をもって…………――――。 ....
「海底都市」より 著者:海野十三
ごちそうのすばらしさ。それは山海《さんかい》の珍味づくしだった。車えびの天ぷら。
真珠貝の吸物、牡牛《おうし》の舌の塩漬《しおづけ》、羊肉《ひつじにく》のあぶり焼....
「神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
のように冷静な顔である。まくれ上がった唇から、上の前歯が露出している。鈍い銀色の
真珠貝、そんなように見える二つの眼が、一点をじっと見詰めている。 「さあ桔梗様、....
「斯ういう気持」より 著者:宮本百合子
事に小幡をこの部屋へ案内する前、雑誌や新聞をこの隅に重ねた時、間に、フランス鞣に
真珠貝のボタンのついた四角い小銭入《こせんい》れが在った覚えがある。考え出そうと....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
しかもそういう時は勝手なもので、大変贅沢な好みがあって、用事のところなどは貴重な
真珠貝のように拾い上げないのだから、あなたにはすみませんわけです。泰子の耳はいい....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
具をもってした、すなわち、戸棚《とだな》、本箱と金縁の書物、文具箱、吸い取り紙、
真珠貝をちりばめた仕事机、銀めっきの化粧箱、日本陶器の化粧道具。寝台の帷と同じ三....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
一ヶ月ほど木曜島にとどまったのである。 折しも木曜島では、明治十二三年に優秀な
真珠貝の産地であることが発見されて、諸国から
真珠貝採取船や、仲買人が雲集し、銀行....
「話の種」より 著者:寺田寅彦
来れば非常に無駄が省ける訳である。ところが今から七年前にジュボアという人がX線で
真珠貝の写真を撮り珠を験する事を考え出したが、なにしろ沢山な貝の写真を撮るのはか....
「植物一日一題」より 著者:牧野富太郎
「九州より千葉県に至る太平洋岸に産する、殊に湾入せるところの四五尋の深所に多い、
真珠貝の養殖場に繁殖し長大なる体は
真珠貝を覆い死に至らしむる事があると云われて居....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
みると、なるほどほとんどが苦力ばかり。日本人もほんの少しはいたが、彼らは西豪州へ
真珠貝取りにいく出かせぎ人たちだ。苦力はみんなこうりゃんの大きなパンを持参してい....