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「真直〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

真直の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
老年」より 著者:芥川竜之介
ずつ目ざませて行ったのであろう。始めは背をまげて聞いていたのが、いつの間にか腰を真直に体をのばして、六金さんが「浅間《あさま》の上《じょう》」を語り出した時分に....
或る女」より 著者:有島武郎
少しつらいだけ。 こんな事をあなたの前でいってはさぞ気を悪くなさるでしょうが、真直《まっすぐ》なあなただと思いますから、わたしもその気で何もかも打ち明けて申し....
カインの末裔」より 著者:有島武郎
がけて日は沈みかかっていた。草原の上には一本の樹木も生えていなかった。心細いほど真直《まっすぐ》な一筋道を、彼れと彼れの妻だけが、よろよろと歩く二本の立木のよう....
溺れかけた兄妹」より 著者:有島武郎
方を向いていると向脛《むこうずね》にあたる水が痛い位でした。両足を揃《そろ》えて真直《まっすぐ》に立ったままどっちにも倒れないのを勝《かち》にして見たり、片足で....
星座」より 著者:有島武郎
んや渡瀬さんを信ずるよりあなたを信じましょうね。渡瀬さんに用心するより、あなたが真直な心をさえ持っていれば少しもこわいことはありませんよ。どんなことがあっても人....
碁石を呑んだ八っちゃん」より 著者:有島武郎
そうな眼をして、にこにこしながら僕を見たが、僕を見ると急に二つに折っていた背中を真直になさった。 「八っちゃんがどうかしたの」 僕は一生懸命|真面目になって、....
歌行灯」より 著者:泉鏡花
て来い。」 と肩を張って大きに力む。 女中酌の手を差控えて、銚子を、膝に、と真直に立てながら、 「さあ、今あっちの座敷で、もう一人二人言うて、お掛けやしたが....
唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
一杯も、あのお手からと思いましたがね、ぎょっとしたのは半分焦げたなりで天幕の端に真直に立った看板だ。電信局としてある…… 茶屋小屋、出茶屋の姉さんじゃあねえ。....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
んだ。貸本屋だからと言って、股引の尻端折で、読本の包みを背負って、とことこと道を真直ぐに歩行いて来て、曲尺形に門戸を入って、「あ、本屋でござい。」とばかりは限る....
」より 著者:池谷信三郎
欄干から下の街を見下していた。大通りに沿って、二条に続いた街灯の連りが、限りなく真直ぐに走って、自動車の頭灯が、魚の動きにつれて光る、夜の海の夜光虫のように交錯....
伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
一筋ずつ髪の毛を伝うて動いて、人事|不省ならんとする、瞬間に異ならず。 同時に真直に立った足許に、なめし皮の樺色の靴、宿を欺くため座敷を抜けて持って入ったのが....
悪獣篇」より 著者:泉鏡花
夢の姿とて、首垂るるまで顔を背けた。 新しい檜の雨戸、それにも顔が描かれそう。真直に向き直って、衝と燈を差出しながら、突あたりへ辿々しゅう。 十....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
の間にさし直して、急いで砂丘を降りて、お爺さんから教えられた通り、あの竜宮街道を真直に進んだのでした。 その後も私は幾度となくこの竜宮街道を通りましたが、何度....
スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
にとどくほど高くあがった。彼の尖った肱はばったの足のように突きだし、鞭はその手に真直ぐに立て、笏をもつような恰好だった。馬がからだを揺りながらのそのそ歩いてゆく....
本所両国」より 著者:芥川竜之介
った野趣だけはいつか失われてしまった。…… 川蒸汽は蔵前橋の下をくぐり、厩橋へ真直に進んで行った。そこへ向うから僕等の乗ったのと余り変らない川蒸汽が一艘矢張り....