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真直ぐ
「真直ぐ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
真直ぐの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「白蛇の死」より 著者:海野十三
して、ぱたりとベルが鳴止む。その儘技手は配電盤の前に突っ立って、がっしりした体を
真直ぐに、見えぬ何物かを追っているようであった。もう四十年輩の技術には熟練しきっ....
「春昼」より 著者:泉鏡花
。 「南無」とあとは口の裏で念じながら、左右へかたかたと静に開けた。 出家は、
真直ぐに御廚子の前、かさかさと袈裟をずらして、袂からマッチを出すと、伸上って御蝋....
「みさごの鮨」より 著者:泉鏡花
お光が中くらいな鞄を提げて、肩をいからすように、大跨に歩行いて、電車の出発点まで
真直ぐに送って来た。 道は近い、またすぐに出る処であった。 「旦那さん、蚤にく....
「古狢」より 著者:泉鏡花
飴屋、おでん屋の出たのが、再び、気のせいか、談話中の市場を髣髴した。 縦通りを
真直ぐに、中六を突切って、左へ――女子学院の塀に添って、あれから、帰宅の途を、再....
「小春の狐」より 著者:泉鏡花
、すぐにむぐむぐと、日向に白い唇を動かして、 「このの、私がいま来た、この縦筋を
真直ぐに、ずいずいと行かっしゃると、松原について畑を横に曲る処があるでの。……そ....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
石と云うのがござんす。これこれでここの名所、と土地自慢も、優しく教えて、石段から
真直ぐに、畑中を切って出て見なさんせ、と指さしをしてくれました。 いかに石が名....
「菎蒻本」より 著者:泉鏡花
。」 「馬鹿にするない、見附で外濠へ乗替えようというのを、ぐっすり寐込んでいて、
真直ぐに運ばれてよ、閻魔だ、と怒鳴られて驚いて飛出したんだ。お供もないもんだ。こ....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
んだ。貸本屋だからと言って、股引の尻端折で、読本の包みを背負って、とことこと道を
真直ぐに歩行いて来て、曲尺形に門戸を入って、「あ、本屋でござい。」とばかりは限る....
「橋」より 著者:池谷信三郎
欄干から下の街を見下していた。大通りに沿って、二条に続いた街灯の連りが、限りなく
真直ぐに走って、自動車の頭灯が、魚の動きにつれて光る、夜の海の夜光虫のように交錯....
「「別居」について」より 著者:伊藤野枝
すきもなかったら、必ず私はそのような誘惑を感ぜずにすんだのでしょう。しかし、私が
真直ぐにそのような行為をしようものなら、そこまで深く考えてくれるような人は多分幾....
「阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
していたが、なぜかしらんまた日本へ行った。半年あとで彼が家に帰って来た時には膝が
真直ぐになり、頭の上の辮子が無くなっていた。彼の母親は大泣きに泣いて十幾幕も愁歎....
「兎と猫」より 著者:井上紅梅
ないらしく、畜生ではあるが彼等の天真爛※《てんしんらんまん》を見出される。しかし
真直ぐに立った小さな赤味を帯びた耳と、ぴくぴく動かす鼻と、どぎまぎした眼は、知ら....
「幸福な家庭」より 著者:井上紅梅
抱いた。 彼が子供を抱いて行こうとすると、門の左の所には妻が立っていて、腰骨を
真直ぐにして両手を腰に置き、怒気憤々としてさながら体操の操練でも始めそうな勢。 ....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
にとどくほど高くあがった。彼の尖った肱はばったの足のように突きだし、鞭はその手に
真直ぐに立て、笏をもつような恰好だった。馬がからだを揺りながらのそのそ歩いてゆく....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
から勝手な臆測が許されるが、左母二郎が浪路を誘拐して駕籠を飛ばして来たは大塚から
真直ぐに小石川の通りを富坂へ出て菊坂あたりから板橋街道へ出たものらしい。円塚山は....