真筆[語句情報] » 真筆

「真筆〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

真筆の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
浜菊」より 著者:伊藤左千夫
床を見ると紙本半切《しほんはんせつ》の水墨山水、高久靄※《たかくあいがい》で無論真筆紛れない。夜目ながら墨色深潤大いに気に入った。此気分のよいところで早速枕に就....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
れよりも、肝心な証拠は直筆の借用証書なんだ。本人のてめえだからこそ、直筆だろうと真筆だろうと何枚だっても書けるじゃねえか」 「でも、それにしたって、生まれたうち....
骨董」より 著者:幸田露伴
るといってもよいのである。で、紳士たる以上はせめてムダ金の拾万両も棄てて、小町の真筆のあなめあなめの歌、孔子様の讃が金で書いてある顔回の瓢、耶蘇の血が染みている....
梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
九日両日、門弟中からの発起で翁の八十八歳の祝賀があった。能は両日催されたが、翁の真筆の賀祝の短冊、土器、斗掻、餅を合せて二百組ほど諸方に送った。 二日の能が済....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
こで折れた上に、その後は忙がしく、白雲もまた、いかに伊達家のことなりとも、羲之の真筆は少々割引物として、問いをほごすことをしてみませんでした。 そこで、伊達家....
東山時代における一縉紳の生活」より 著者:原勝郎
れて、大いにこれに涎垂《えんすい》したこともある。宗祇の所持の人丸影像は、信実の真筆ではなく、これを手本にして土佐刑部少輔光信に写さした新図であった。宗祇がこれ....
丹下左膳」より 著者:林不忘
大小の中心《なかご》に巻き納めてあるということを認めた、やすり箱の中の孫六の別札真筆《べっさつしんぴつ》も、とうとう見出される機とてもなく、古今の貴法《きほう》....
随筆 宮本武蔵」より 著者:吉川英治
信じてもいるのである。 なるほど、武蔵の画に接すると――といって私はまだ多くの真筆を観る機会にも恵まれていないのだが――一部自分が観た範囲においても、彼の画風....