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真間
「真間〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
真間の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「富士」より 著者:岡本かの子
りで物乞うては餓を満たして行く旅の翁を誰も親切には教えて呉れなかった。 足柄の
真間の小菅を踏み、箱根の嶺《ね》ろのにこ草をなつかしみ寝て相模《さがみ》へ出た。....
「ヰタ・セクスアリス」より 著者:森鴎外
言う。 裔一の母親は継母である。ある時裔一と一しょに晴雪楼詩鈔を読んでいると、
真間《まま》の手古奈《てこな》の事を詠じた詩があった。僕は、ふいと思い出して、「....
「科学と文学」より 著者:寺田寅彦
歌い喜ぶのである。たとえば、われわれは自分の失恋を詩にすることもできると同時に、
真間の手児奈やウェルテルの歌を作ることもできるのである。 探偵小説と称するごと....
「怪談牡丹灯籠」より 著者:三遊亭円朝
ば、孝助は見え隠れに跡を尾けて参りましたが、女の足の捗どらず、幸手、栗橋、古河、
真間田、雀の宮を後になし、宇都宮へ着きましたは、丁度九日の日の暮々に相成りました....
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
きや絵天井 行春の鴉啼くなり女人堂 夏近き吊手拭のそよぎかな 山畑は月にも打つや
真間の里 銃提げて焼野の煙踏み越ゆる 摘草の約あり淀の小橋まで 一畑は接木ばかり....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
して実行した如くである。 ○ われも見つ人にも告げむ葛飾の
真間の手児名が奥津城処 〔巻三・四二三〕 山部赤人 山部赤人が下総葛飾の
真間娘....
「寄席と芝居と」より 著者:岡本綺堂
だけの準備をしている。彼が一代の名人と呼ばれたのも決して偶然でない。 その晩は
真間田の駅で旧本陣の青木方に泊まる。紀行に「この宿は蚊帳も夜具も清らかにて、快く....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
女は、社になくてならぬ巫女の勤めを当分止められそうもない運命を感じたのであろう。
真間の手児奈、桜児の伝説などがいつも二人の間の話題だったのは言う迄もない。 古....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
から五郎潟、武蔵の五日市といたるところを訊ねて廻ったすえ、この下総《しもおさ》の
真間の奥に、五十槻《いそつき》という小さな村があるということを聞いたので、先の月....
「真間の手古奈」より 著者:国枝史郎
旧家でありましたが――その泉谷の家族達によって丁寧な態度であつかわれました。 「
真間の継橋へも参ったことであります。矢張りよい景色でござりました。ここにも継橋が....
「葛飾土産」より 著者:永井荷風
幅は二間くらいはあるであろう。通る人に川の名をきいて見たがわからなかった。しかし
真間川《ままがわ》の流の末だということだけは知ることができた。
真間川はむかし....
「粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
れ下さいまし」 小「連れて往きたいが何処へも往く処がない」 丈「私の在所は葛飾の
真間の根本ゆえ、明家が有りましょうから往かッしゃいまし」 小「私は商いを仕様とも....