眠い[語句情報] » 眠い

「眠い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

眠いの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
。茶の間には今度は叔母の側に、洋一《よういち》が巻煙草を啣《くわ》えていた。 「眠いだろう?」 慎太郎はしゃがむように、長火鉢の縁《ふち》へ膝《ひざ》を当てた....
葬儀記」より 著者:芥川竜之介
の往来で、柩車の火葬場へ行くのを見送った。 その後は、ただ、頭がぼんやりして、眠いということよりほかに、何も考えられなかった。 (大正五年十二月)....
東海道五十三次」より 著者:岡本かの子
すまで砥石《といし》の裏に何度も水を流しては擦《す》らせた。朝の早い父親は、私が眠い目を我慢して砥石で擦って持って行く灰吹を、座敷に坐り煙管《きせる》を膝に構え....
生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
見こう見している君は、振り向きもせずに、ぶっきらぼうにそう答える。 「朝げにまた眠いとってこづき起こされべえに」にっと片頬に笑みをたたえて妹は君にいたずららしい....
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
も「警報解除」を告げにきてくれる。この人も、二度目のときにはこなかった。寒いし、眠いし、それにたいしたことではないので、班長さんには無理をしてもらわぬ方がいい。....
河明り」より 著者:岡本かの子
何となく単調に感じられて眠気を誘われた。 「半音の入っていない自然というものは、眠いものね」 私は娘が頸を傾けて、も一度訊き返そうとするのを、別に了解して欲し....
菎蒻本」より 著者:泉鏡花
、どこから顕れたか、煤を繋いで、その天井から振下げたように、二階の廊下を、およそ眠いといった仏頂面で、ちょろりと来た。 「白露さん、……お初会だよ。」 「へーい....
伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
様の他に誰方もおいでがないと、目を丸くして申しますので、何を寝惚けおるぞ、汝が薄眠い顔をしておるで、お遊びなされたであろ、なぞと叱言を申しましたが、女いいまする....
沼夫人」より 著者:泉鏡花
だ、壮だ。」 と莞爾する。 顔色が、ぐっすり寝込んだ処を、今ので呼覚されて、眠いに迷惑らしい様子もないので、 「どうも気の毒です。酷い目に逢ってね。」 と....
化鳥」より 著者:泉鏡花
チッチッて、母様と、父様と、児と朋達と皆で、お談話をしてるじゃあありませんか。僕眠い時、うっとりしてる時なんぞは、耳ン処に来て、チッチッチて、何かいって聞かせま....
月世界跋渉記」より 著者:江見水蔭
た。 かれこれ三時間もたった頃博士はまず眼を醒しほかの者を揺り起した。 「ああ眠い眠い。もう何時でしょう。」 晴次は目を擦りながら尋ねる。 「何時も糞もある....
」より 著者:岡本かの子
のですか。 若い親切らしい看護婦が加奈子の傍に佇って居て訊いた。 ――いいえ、眠いんですの。今朝早く起したものですから。 看護婦は、加奈子が自分よりも背の高....
」より 著者:犬田卯
ぬ、というようなことを言って、てんで寄せつけようとしないのであった。 おせきも眠いので、そのまま眠ってしまったが、再び彼女の胸のうちにはもやもやするものが湧き....
式部小路」より 著者:泉鏡花
。 お夏さんがね、ばたりと畳へ手を支いた、羽織の肩が少しずれて、 (ああ、もう眠い、)ッて恐ろしい愛想づかしじゃありませんか。 (さあ、お寐なさい、) とい....
」より 著者:岡本綺堂
。 おつや 九時二十分……。あたし達にはまだ宵の口だわ。それにしても太ァちゃんは眠いだろうね。(うしろを見かえる。)あら、おかしな子だねえ。さっきから何だか邪魔....